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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第21回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2月19日~2月25日分

遠隔地居住を認める大企業が7割、就活学生の4割が企業のSDGsに注目、ほか

2022年02月28日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。

 今回(2月19日~25日)は、昨年の国内家電小売市場、コロナ禍で進んだ遠隔地居住と企業の対応、ランサムウェア攻撃とLog4j脆弱性攻撃、就職/採用活動におけるSDGsの位置づけについてのデータを紹介します。



■[PC][スマホ]2021年の家電小売は前年比1.5%減、PCは減少・スマホは活況(GfK Japan、2月18日)
・2021年の国内家電小売市場は7兆1700億円、前年比1.5%減
・携帯電話は前年比17%増の3200万台、9割がスマホ
・PC/タブレットは前年比13%減の2290万台

 全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データ等を基に2021年の家電およびIT市場の販売動向としてまとめた。2021年はコロナの巣ごもり需要があった2020年を1.5%下回ったが、7兆1700億円という市場規模は2015年以降では2番目。一方、PCとタブレットは前年から13%減少、テレワーク拡大やGIGAスクール構想向けの特需が落ち着いたことなどが原因だという。このほか、薄型TVは前年比7%減、冷蔵庫は前年比3%減、エアコンは同9%減など。

携帯電話販売は前年比17%増の3200万台。スマホは9割を占め同18%増、フィーチャーフォンは同5%減(出典:GfK Japan)

PCとタブレット市場は、ここ数年の増加ペースから転じて減少した



■[働き方]大企業の約7割が従業員の遠隔地居住を認める(Works Human Intelligence、2月21日)
・遠隔地居住を何らかの形で認めている企業は約7割 ・遠隔地居住を認めない理由のトップは「各種制度が遠隔地の居住を想定していない」 ・コロナ禍で61%が通勤手当の実費支給を導入、34%は従来の通勤手当を廃止

 Works Human Intelligence(WHI)が、同社の総合人事システムを利用する大手法人64社を対象に「自己都合で遠隔地に居住する従業員の通勤や転勤の扱い」について聞いた。期間は2021年8月末~9月末。通勤に数時間以上かかる遠隔地への居住を認めている企業は68.5%。自己都合で遠隔地居住している社員の通勤手当については「通勤の度に支給」が35%、「自己負担」は0%だった。一方、遠隔地居住を認めない企業の76%が、その理由を「各種制度が遠隔地の居住を想定していない」と回答している。

遠隔地居住を認める企業は約7割。11%は「無条件で認めている」(出典:Works Human Intelligence)

遠隔地居住を認めない理由。トップは「各種制度が遠隔地居住を想定していない」(出典:Works Human Intelligence)



■[セキュリティ]世界のランサムウェア攻撃件数は前年比105%増、Log4jの脆弱性狙う攻撃は6週間で約1.5億件に(SonicWall、2月17日)
・2021年のランサムウェア攻撃は6億2,300万件越え、105%増加
・ランサムウェアの数は2019年から232%増加
・Log4jの脆弱性を悪用した攻撃は6週間で1億4,200万件に

 SonicWallのランサムウェア脅威インテリジェンスが発行する「2022年版 SonicWallサイバー脅威レポート」より。2021年、世界のランサムウェア攻撃は前年比105%増、またランサムウェアの数は2019年日で232%増。攻撃数はあらゆる業種で増加しているが、特に前年比1885%増の行政を筆頭に、医療(同755%増)、教育(同152%増)など、重要なデータを持ちつつ防御が手薄と考えられるセクターへの攻撃が目立つ。また2021年末に公開された「Apache Log4j」の脆弱性については、12月11日~1月31日の6週間で1億4220万回(1日平均270万回)もの攻撃が記録された。このほか、クリプトジャッキング、IoTマルウェアなども増加した。

Log4j脆弱性を悪用した12月11日から6週間の攻撃の推移(出典:SonicWall



■[SDGs][仕事]就活で企業のSDGsの取り組みを重視する学生は4割強(i-plug、2月21日)
・SDGsについて「意味を理解している」学生は85%、企業は89%
・SDGsに関連する仕事がしたい学生は28.9%
・エントリーに進む企業を選択時、SDGs関連の取り組みを重視する学生は43.6%

 2023年に卒業する学生と企業を対象に「SDGsへの理解度と就職/採用活動」を調べた。期間は1月13日~24日で、学生266件、企業757件の有効解答を得た。SDGsの意味を理解している学生は85%、企業は89%。SDGsに関連する仕事がしたいかという質問に対しては、「わからない」が44.7%で最多、次いで「はい」が28.9%だった。学生は企業の選択にあたってSDGsの取り組みを重視する学生は43.6%、企業が採用活動でSDGsの取り組みを学生にアピールしているかについては、68.2%が「いいえ」と回答した。

学生の4割程度が「エントリーに進む企業を選択する際、SDGsに関連する取り組みを重視する」と回答(出典:i-plug)

一方、採用活動においてSDGsに関連する活動を学生にアピールしている企業は約3割(出典:i-plug)

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