このページの本文へ

連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第123回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2月17日~2月23日

外国籍ITエンジニアが感じる日本の魅力、女性管理職を増やすための課題、生成AIの活用法は日本だけ違う? ほか

2024年02月26日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2月17日~2月23日)は、生成AIの業務利用に関するグローバル調査、セキュリティ/IT担当者のメンタルヘルス、応募が増える外国籍ITエンジニアが考える日本の魅力と不安、女性管理職を増やすための日本の課題についてのデータを紹介します。

[生成AI]職場での生成AI利用、世界平均は70%以上だが日本は38%(ベリタステクノロジーズ、2月22日)
・職場における生成AIツールの利用、日本は38%で11カ国中最下位
・生成AIの用途トップは、グローバルでは「分析のための調査・情報収集」、日本は「ライティングの向上」
・90%は使用ポリシーが重要と考えるが、実際にポリシーを提示している企業は36%

 世界11カ国、1万1500人の会社員を対象に、職場における生成AIツールの利用について調べた。生成AIツールを仕事で使う従業員の比率は、日本は38%と、グローバル平均の70%以上を大きく下回る。日本では、生成AIの業務利用について「個人としてメリットはない」という回答が世界で最多の28%、また78%が「今後3年以内に組織内の役割がAIに置き換わる」と考えていない(世界平均は58%で日本が1位)。一方で、自分と同じ役割の同僚が生成AIを利用していることを「不公平と思わない」人は68%で、これも世界平均の47%を大きく上回り日本がトップだった。

生成AIツールを仕事で使う頻度を尋ねた。日本は「まったく使わない」が62%で、世界平均の30%弱を大きく上回る(出典:ベリタステクノロジーズ)

[セキュリティ][働き方]セキュリティとIT担当の69%が「燃え尽き症候群」(ソフォス、2月20日)
・日本ではセキュリティ/IT担当の69%が「燃え尽き症候群」や「セキュリティ疲れ」を経験
・42%が「努力を継続できず、十分なパフォーマンスを発揮していない」
・セキュリティ対策の責務に対し、懐疑的/無関心/無気力の感情を抱く人は28%

 日本から204社が参加したサイバーセキュリティ環境についての調査「アジア太平洋地域と日本のサイバーセキュリティの展望」第4版より。全体では、回答者の96%が過去12か月間で「燃え尽きを感じることが増えた」、42%が燃え尽き症候群によりサイバーセキュリティの職務に対する「気力が減退した」と回答した。日本では、69%が「燃え尽き症候群」や「セキュリティ疲れ」を経験していると回答したが、アジア太平洋地域全体で見ると最も低い数値。

[ダイバーシティ]外国籍ITエンジニアの応募は3年前から増加、日本の魅力は「治安」(ビズメイツ、2月20日)
・外国籍ITエンジニアの応募は3年前比増加は65%、17%は「21~30%増」
・「高スキルのIT人材確保」(62%)が外国籍ITエンジニアを採用する最大のメリット
・日本の魅力は「治安」(50%)、「日本の文化」(35%)、「給与水準」(32%)

 外国籍ITエンジニアを2人以上採用した実績のある企業の人事担当者100人を対象に、外国籍ITエンジニア採用の実態を調べた。外国籍ITエンジニアの応募が「3年前と比べて増加」したという回答は65%。応募の増加率としては「21~30%」が17%、「10%以下」が15%。応募増加の理由としては「日本の治安」がトップで49.2%を占める。外国籍ITエンジニアを採用するメリットは、「高いスキルを備えたIT人材の確保」がトップで62%、続いて「専門性の高い人材の確保」(42%)、「候補者の分母が増える」(41%)など。

外国籍ITエンジニアの応募は3年間で増えている(出典:ビズメイツ)

外国籍ITエンジニアが感じる日本の魅力(出典:ビズメイツ)

日本の企業で働くことへの不安(出典:ビズメイツ)

[女性管理職]8割の女性が管理職打診に対して「なりたい」、実際になってみての課題は「男性中心の風土」(Waris、2月22日)
・初めて管理職を打診された女性の80%が「(どちらかというと)なりたい」
・女性の管理職への挑戦のハードルは「ワークライフバランスへの懸念」が39%で最多
・女性管理職を増やすために有効なことは「柔軟な働き方」(67%)、「社会の性役割意識の緩和」(48%)など

 3月8日の「国際女性デー」に向け、管理職経験のある女性約260人を対象に実施したした「女性管理職に関する調査」。初めて管理職を打診されたとき、(どちらかというと)管理職になりたいと感じた人は80.4%。理由として「経験やスキルを磨きたい」(61.7%)、「裁量を広げたい」(60.8%)などが挙がった。実際に管理職となり苦労している点は「男性中心のコミュニケーションや組織風土」(39.6%)、「精神的なプレッシャー」(37.3%)など。

管理職を打診された時、なりたいと感じたかについて、80.4%が「(どちらかというと)なりたいと感じた」(出典:Waris)

管理職への挑戦で障害になったことについては、「ワークライフバランスへの懸念」がトップ(出典:Waris)

管理職となって苦労している点・課題については「男性中心のコミュニケーションや組織風土」がトップ(出典:Waris)

カテゴリートップへ

この連載の記事