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石川温のPCスマホニュース解説 第93回

ドコモ値下げはデメリットへの覚悟が求められる

2020年10月07日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●NTTグループはリストラを迫られる

 NTTドコモが料金値下げに踏み切れば、KDDIやソフトバンクも対抗策を打ってくるだろう。この数年、総務省があれやこれやと実施してきた競争政策は失敗続きだったが、ようやく菅首相が狙ってきた「料金値下げ競争」が起ころうとしている。

 我々ユーザーとしては喜ばしい限りだが、一方で将来的には「値下げのデメリット」も出てくる可能性があることを考慮しておかなくてはいけない。

 たとえばNTTドコモが1ユーザーあたり月1000円を値下げしようとすると、年間5000億円近い収益が吹っ飛ぶことになる。ドコモの年間の営業利益は1兆円弱程度であり、月2000円も値下げすれば利益はなくなり赤字に転落する。

 NTTの澤田社長としてはNTTグループを再編することで、財務基盤を安定させ、値下げによる減収を吸収。さらにGAFAに対抗できるようにするつもりのようだ。

 となると必要に迫られるのが、NTTグループのスリム化、つまりリストラだろう。

 NTTグループ全体の従業員数は32万人となっている。一方、GAFA並びにマイクロソフト、アメリカのキャリアであるベライゾンとAT&Tの売上高と従業員数を比較したのが以下の表だ。アマゾンはおそらく世界中の倉庫で働く社員も含まれているため、75万人規模となっているが、他の企業はNTTグループよりも圧倒的に少ない従業員数となっている。

従業員数 売上高
NTTグループ 31万9000人 1117億ドル
アルファベット(グーグル) 11万4000人 1620億ドル
アップル 13万7000人 2602億ドル
フェイスブック 4万3000人 707億ドル
アマゾン 75万人 2805億ドル
マイクロソフト 16万6000人 1430億ドル
ベライゾン 13万5300人 1319億ドル
AT&T 24万3300人 1812億ドル

※各社決算資料、報道を元に筆者作成(2019年度)

 NTTグループは分社化しており、重複している事業や部署、人員などが多岐にわたっているはずだ。世界的な競争力をつけるには人員配置の見直し、余剰人員の削減などをしてスリム化し、筋肉質の組織にする必要があるだろう。そうしなければ数千億円規模の減収に耐えられない。減益しながらも、国際競争力をつけるための研究開発などに資金を投入するには、相当な覚悟が求められる。

 NTTドコモが値下げをすることで気になるのがサポート体制の維持だ。

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