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WDLCの「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」

小学校100校に「micro:bit」を無償配布するプロジェクト、業界団体がスタート

2018年06月15日 13時00分更新

文● 三浦優子 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 日本マイクロソフト、PCメーカー、家電量販店などが参加する業界団体ウインドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は、2020年度からプログラミング教育が小学校の必修授業になること受け、学校のプログラミング教育を応援するプロジェクト「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」をスタートする。

 同プロジェクトでは、文部科学省、総務省、経済産業省の3省がプログラミング教育推進と普及を行う団体として設立した未来の学びコンソーシアムの後援を受け、プログラミング教育授業案(授業計画書)、サンプルコードなど30コンテンツを特設サイトで無償公開する。さらに、同プロジェクトの提供する授業案に沿った教育を早期実践する意思のある学校を募り、選抜された小学校100校にmicro:bitを1校あたり20枚提供するとともに、100校での実践の知見も公開して、多くの小学校でのプログラミング教育に役立てていく計画だ。

MakeCode×micro:bitの授業案を提供makeCode×micro:bitのサンプルコード30個を提供し授業を支援

 WDLC会長で、日本マイクロソフト 執行役員の梅田成二氏は、「100校の学校にMakeCodeとmicro:bitを使った授業をしてもらうことで、これまでにはなかった新しい授業や知見が集まる可能性がある。これをWDLCに集約し、さらに未来の学びコンソーシアムにも広げていきたい」と話した。

WDLC会長で日本マイクロソフト 執行役員の梅田成二氏

小学生から社会人まで学べるmicro:bitとMakeCode

 「micro:bit」は、イギリスのBBCが開発したマイコンボード。MakeCodeは、Microsoftが無償提供しているmicro:bit対応のオープンソースのプログラミング学習環境だ。MakeCodeは無償だが、国内ではmicro:bitは1枚あたり約2000円で販売されていることから、学校で簡単に導入できないという声があった。そこで企画されたのが、今回の「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」だ。

 MakeCodeはビジュアルコーディングに加え、JavaScriptなどのテキストコーディングにも対応し、小学生から大学生、社会人教育にも利用できる幅広さが特徴だ。パッケージを追加することも可能で、例えば日本人が開発したLEDでカタカナを表示するプログラムを追加して利用するといった使い方ができるという。

micro:bitとはMakeCodeの画面

 しかしながら、「初等教育で初めてプログラミング教育に取り組む際には、MakeCodeだけではノウハウが足りないという声がある。そこで、サンプルコード30個を無償提供する。いずれも学習指導要領に則った、授業内で使えるものとなっている」(WDLC 梅田会長)。

 早期実践の事例として、6月1日に、千葉大学教育学部附属小学校4年生の理科授業で、このサンプルコードを利用したプログラミング教育を行った。「micro:bitとMakeCodeを組み合わせた授業の良いところは、プログラムを書いた後、物理的なフィードバックがあるところ。子供たちがプログラミングの成果を体感できる」(WDLC 春日井良隆事務局員)。

 小学校4年生の理科には、電気の働きを学ぶという学習がある。今回のプログラミング教育では、プログラミングによってLEDが点滅する仕組みを論理的に体感し、これを電気の働きを学ぶ理科の授業に役立てていく。「今回は理科の授業に利用したが、理科以外にも算数で時計を作るプログラミング授業を行うことや、音楽、技術といった授業にも活用できる」(春日井氏)。

千葉大学教育学部附属小学校4年生の理科授業でmicro:bitを活用授業の様子

IT業界と学校側の連携を強化

 「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」への参加校の募集期間は6月20日~7月6日。応募した学校の中から選考を行い、選ばれた学校には7月20日に事務局からmicro:bitを納品する予定だ。「今年度中に取り組みをスタートしてもらうために、夏休み前に納品し、先生方に夏休み期間にプログラミング授業を行う検討をしてもらえればと考えた」(梅田氏)。

 WDLCは、IT業界側で授業に適したプラットフォーム、コンテンツを多くの小学校などに導入してもらうための施策に加え、学校側との連携を強めるために、文部科学省、総務省、経済産業省の3省が中心になって設立した団体「未来の学びコンソーシアム」と連携を行っていくことも今回、発表された。

 未来の学びコンソーシアムは、次期学習指導要領におけるプログラミング的思考を育むための教育実施に向け、学校関係者、教育関連、IT企業など産業界が連携し、プログラミング教育を普及、推進を行っている。

 記者会見には文部科学省、総務省、経済産業省の担当者も出席。文部科学省の大臣官房審議官の白間竜一郎氏は、「文部科学省ではプログラミング教育の手引きを作成し、プログラミング教育導入の狙い、それほど難しいことをやってもらうわけではないことも説明している。この先については、未来の学びコンソーシアムでも活用を通じて支援活動を行ってきたが、それだけではやはり限界がある。今回のWDLCの取り組みは時機を得た素晴らしい試みで、プログラミングをすることが楽しいという声が出て、先生方にもプログラミング教育をやっていくんだという機運が生まれることになるのではないか」とWDLCの取り組みを評価した。

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