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学校PCのWindowsシェアは95%、小中高のOffice導入率は90%

新学習指導要領に沿ったICT活用、教員の働き方改革を支援:日本MSの教育ビジネス

2018年06月22日 09時00分更新

文● 阿久津良和 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 日本マイクロソフトは2018年6月20日、同社の教育分野への取り組みに関する記者説明会を開催した。

教育市場で圧倒的シェアのWindows

 日本マイクロソフトが全国の教育委員会および私立高校を対象としたICT導入計画をヒヤリング調査した「マイクロソフト 教育ICTリサーチ2018」によれば、教育ICT整備計画がある自治体は56.6%におよぶものの、首長が参画した計画は27.5%と一進一退の様子が見えてくる。それでも文部科学省は、2018年度から2022年度を対象に教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画を2017年12月末に通知し、単年度1805億円(総額6712億円)の地方財政措置を講じる予定だ。

 このように、国内で教育機関のICT環境整備が進むなか、日本マイクロソフトの教育分野での存在感は大きい。文部科学省の2016年調査結果によれば、教育用PCにおけるWindows OSのシェア率は「95%」。日本マイクロソフト調査による国内小中高のMicrosoft Office導入率は「90%」。Microsoft 365 Educator契約校数は「112校」となっている。

 同社の教育分野での注力領域は、「学校教育」「大学」「教育機関」「図書館・美術館・博物館」の4エリア。特に学校教育においては、文部科学省の新学習指導要領に沿うこと、自治体の首長を巻き込むことを重視している。

 例えば、米マイクロソフトは2017年12月に、教育現場で共同作業などを実現する「Future-ready skills」を提唱した。こちらは、自身の考えや疑問点で議論しあう力を育む「Communication」、他者を巻き込んで協働し合う「Collaboration」、好奇心を育てて維持する「Curiosity」、計算論理思考を育む「Computational Thinking」、発想力から得る創造性を重視した「Creativity」、疑問を逃がさない思考性を持つ「Critical Thinking」と6単語の頭文字を取って「6C」と同社は称している。

 この「6C」について、日本マイクロソフトは文部科学省の新学習指導要領に照らし合わせ、グローバルとは異なる指標を作成した。例えば、Computational Thinkingであれば、大量のデータを分析し、グラフ化することで科学的根拠に基づいた説明ができるようにするなどのシナリオを日本独自に含めている。さらに国内の教育機関で「Future-ready skills」の定着化をはかるため、書籍『できる2020年教育改革 基本編 Microsoft 365 Education対応』を無償提供している。

 今後の取り組みとして、全国ICT教育首長協議会の「ステップモデル校プロジェクト」を全国展開する。こちらも新学習指導要領によるICT教育環境を、各自治体の現状に応じた検証を段階的に展開できるプログラムだ。本発表会時点で8自治体(小中学校:弘前市、戸田市、鎌倉市。高等学校:北海道、神奈川県、山梨県、広島県)が参加表明している。

ICTスキルを持つ認定するプログラムを展開

 Microsoftはグローバルで、ICTを使いこなせる教師を認定・育成することにも取り組んでいる。教師向けにオンライン/オフライン研修や学習指導案などを共有するコミュニティの場を提供し、一定以上のスキルを持った教師に認定資格を付与する「MIEプログラム」を実施しており、認定資格を持つ教師は既に世界で60万人に達した。

 日本にも、6953人の資格所有者がいるという。日本マイクロソフトは、認定資格を持つ教師を増やすために、2015年12月から国内教員研修を重ねてきた。これまでに2万3867人が研修に参加し、コミュニティ空間であるMicrosoft Educator Communityには、727件の教材やレポートが掲載されている。また、教師に対して先進的なICT教育の説明や情報発信を行う「マイクロソフト認定教育イノベーター」の数は113人まで拡大した。

 日本マイクロソフトは、「国内で認定資格を持つ教師を4万人、マイクロソフト認定教育イノベーターを300人まで拡大したい」(日本マイクロソフト パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏)としている。

日本マイクロソフト パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏

教員の働き方改革を支援

 教員の長時間労働が社会問題化しているのを背景に、日本マイクロソフトは学校現場の「働き方改革」にも関わろうとしている。同日の会見では、パートナー企業が開発中であるという「教職員の勤務時間を可視化するソリューション」が紹介された。

「教職員の勤務時間管理ソリューション(仮)」のデモンストレーション。データ集計せずタイムリーに各情報を確認できる

 同ソリューションは、教職員の属性データ(学級担任や部活担当の有無、年齢など)を供えたExcelファイルに出退勤時間を入力し、Microsoft Azureにアップロードするだけ。データはAzure SQL Databaseなどに蓄積して、Power BIで属性ごとの可視化や分析を可能にする。「例えば学校単位なら教職員の活動を把握でき、教育委員会は(担当範囲の)学校全体の情報を属性ごとに確認し、課題を浮き彫りにする。攻めの働き方改革が可能だ」(日本マイクロソフト パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 アカウントエグゼクティブ 佐藤正浩氏)。

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