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今後増えると予想される地域通貨を簡単・安全に交換可能

富士通研究所、ブロックチェーン同士を安全につなげるセキュリティー技術を開発

2017年11月15日 17時30分更新

文● 行正和義 編集●ASCII

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複数のブロックチェーンを横断した取引の課題

 富士通研究所11月15日、異なる仮想通貨の交換や決済を安全に実行できる新セキュリティー技術「コネクションチェーン」を発表した。

 ブロックチェーンは中央管理無し、高可用性、改ざん不能といった信頼性を担保する特長を持ち、金融や流通など様々な分野での活用が期待されており、今後仮想通貨同士の交換やブロックチェーン同士のデータ交換などの需要が高まると予想される。しかし、複数のブロックチェーンを横断した取引を実現する際には、ブロックチェーンの間に位置する変換レートや手数料を適用するなどの業務処理を行なうアプリケーションの透明性確保、複数のブロックチェーンの取引タイミングを制御して連続した一連の取引として扱うことが課題となる。

コネクションチェーンによる価値の移転

 コネクションチェーンでは、発注や支払いなどの業務手続きや契約処理を自動化するスマートコントラクトを拡張、ブロックチェーン同士を連携させるためのノードをたて、連携ノードを経由して各取引処理に紐付ける。ブロックチェーンそのものの仕組みを使い業務処理を実行することで透明性が確保されるという。

 また、トランザクションの制御において、資産の移転元では取引処理を確定させずにいったん保留状態とし、移転先での通貨移動を確認してから移転元の取引を確定する取引のタイミングを制御。これにより従来のブロックチェーンでは困難だった取引処理の待ち状態を発生させ、取引の確定や取り消しを実現できる。

 この技術により、個人が運営するような仮想通貨を扱う小規模ネットショップでも地域通貨に対応することも可能となるという。富士通研究所では、通貨交換だけでなく企業間のデータ交換や契約自動化などに発展させ、2018年度以降の実用化を目指すとしている。

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