このページの本文へ

パナソニック「ロティサリーグリル&スモーク」の破壊力をご覧ください:

パナ最強の肉焼き機を試す ※注意!おなかがすきます

2017年10月06日 07時00分更新

文● ぶち猫 編集● 家電ASCII編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 パナソニックから肉を回しながら焼く調理家電「ロティサリーグリル&スモーク」が登場。パナソニックの調理家電の中では肉を焼かせたら間違いなく最強だそうです。まっさきに思い浮かんだのは「ぶち猫おかわり」。脂身のとろける豚肩チャーシュー低温調理のよだれ鶏などで日々鍛錬を重ねているぶち猫さんに、量産試作機をお試しいただくことにしました。それではぶち猫先生、よろしくお願いします。


ぶち猫です

 こんにちは。ぶち猫と申します。料理と写真を趣味に、猫2匹と暮らしています。

 「360度回転炙り焼きで柔らかジューシーなかたまり肉を楽しめる。」というキャッチフレーズで11月上旬発売予定の、パナソニック「ロティサリーグリル&スモーク」(想定実売価格5万5000円)試作機をお借りして、実際にかたまり肉を焼きつつ、性能や使い勝手をチェックしてみました。

「ロティサリーグリル&スモーク」本体

 「ロティサリーグリル&スモーク」本体です。外形寸法は幅405×奥行416×高さ280mmということで、本格的なオーブンレンジよりは小さいですが、トースターよりは大きめというサイズ感。奥行きが深いので置く場所に注意が必要そうです。

 つや消しブラックの外観はとてもシック。操作ボタンの説明書きも必要最小限で、家電にありがちな生活感が排されているところがインテリアとなじみそうで好印象です。

「ロティサリーグリル&スモーク」の内部

 最大の特徴は、素材を自動で360度回転させつつ、遠赤外線と近赤外線の二種類のヒーターで両側から加熱する「ロティサリー機能」。簡単に言うと、かたまり肉を自動でぐるぐる回転させながら、炙り焼きできる機能です。なにそれ、楽しそう……。

 また、「1台4役のマルチユース」ということで、他に「燻製」、「トースター」、「オーブン」機能もついています。特に「燻製」は自宅でやるには敷居が高めなので、どのくらい実用性が高いか気になりますね。

 早速試してみたいと思います。

1. ロティサリー機能で、ローストビーフを焼く

和牛もも肉と牛脂です

 まずは、「ロティサリー機能」を使ったローストビーフに挑戦します。材料は和牛もも肉450g。中心部まで均等に熱が入るよう、調理する1時間前に冷蔵庫から出し、タコ糸で縛って形を整えます。

かたまり肉をロティサリー用のかごに入れます

 牛肉は、重さの1%の塩を表面にすり込んでから牛脂を塗ったフライパンで表面を軽く焼き、付属の鉄板にのせたロティサリー専用の「かご」の中に収めて、ふたをします。

かたまり肉を調理中の庫内の様子です

 肉をセットした鉄板を「ロティサリーグリル&スモーク」の庫内に固定し、オートメニューの「ローストビーフ」ボタンを押すと、おもむろにかたまり肉が回転を始めます。かっこよくてテンションが上がる! 肉の重量等によって変わるようですが、「ローストビーフ」の調理時間は約50分。

 加熱後は、急激な温度変化で肉汁が流出しないよう、肉をアルミホイルで包んで温かい場所(ロティサリーグリルの上など)で20分ほど休ませました。

マッシュポテトと市販のローストビーフソース、彩りにクレソンを添えました

 できあがりがこちら。厚めに切って、黒胡椒を挽きました。表面には香ばしい焼き色がつきつつ、肉の芯まで均一に加熱できています。実際に使って感じたのは、肉汁の流出がとても少ないこと。普通のオーブンや低温調理器具を使った調理と比較しても、調理過程で流出する肉汁の量が格段に少なかったのが印象的でした。

 今回使った牛もも肉は、脂肪分が少なめでパサつきやすい部位。にもかかわらず、仕上がりはとても柔らかくジューシーで、口の中に肉汁がじゅわっとあふれる食感を楽しめました。

2. ロティサリー機能で、焼き豚を作る

焼き豚の材料です

 もう1つ、オートメニューが用意されている「焼き豚」も試してみました。材料は、豚もも肉450g。味がしみやすいように、竹串で何ヵ所か刺して穴をあけた後、香味醤油ダレ(醤油、みりん、酒各40ccに砂糖大さじ2を鍋に入れ、生姜、にんにく各ひとかけのスライス、長葱の青い部分1本分を加えて軽く煮立てて粗熱を取ったもの)に2~3時間漬けておきます。

香ばしい焼き上がり

 調理手順は、表面についたタレをふき取った肉(焦げ防止のため)を「ロティサリーグリル&スモーク」にセットし、オートメニューの「焼き豚」ボタンを押すだけ。加熱時間は約50分。焼いている最中は、表面の脂が鉄板に落ちて、じゅうじゅうといい音をさせていました。そして、このこんがりとした焼き色!

焼き豚の断面です

 焼き豚の断面の脂身との境目に、透明な肉汁がにじんでいるのが見えるでしょうか。こちらも豚もも肉という脂肪分が少なくパサつきやすい部位を使ったのに、とてもジューシーに仕上がりました。表面の香ばしさもよいアクセント。

焼き豚丼温玉追加バージョン

 さらに、厚切りにした焼豚と温泉卵を白ごはんの上にのせて、香味野菜を取り出して沸騰させたタレを回しかけることにより、「焼き豚丼」を作ることも可能です。味ですか? もちろん、めちゃくちゃおいしかったですよ。また食べたい。

3. ロティサリー機能で、ひな鳥を丸焼きにする

1羽400gほどのひな鳥

 ロティサリーと言えば、チキンなのでは? ということで、鶏肉もやってみました。ただし、「ロティサリー機能」で調理できる分量は650gまでなので、普通の丸鶏ではなく1羽400gほどのひな鳥を用意しました。

 下準備として、ひな鳥の内部をよく洗ってから3%濃度の塩水(あればローリエの葉を入れる)に一晩漬け(いわゆるブライニング。下味を付けるとともに肉を柔らかくジューシーにする効果がある)、形を整えるためにタコ糸で縛り、表面の水分を拭いてからバターなどの油脂を塗りました。

ひな鳥の焼き上がりです

 これを「ロティサリーグリル&スモーク」にセットし、オートメニューの「焼き豚」で加熱。付属のかごに納めなければならないので、ちょっと細長くなりましたが、表面はこんがりとよい色に焼けました。

切り分けていただきます

 切り分けたところです。丸鳥を焼いたときによくある失敗は、部位ごとに焼き分けることができないため、一部がパサついてしまうこと。今回は、ブライニングをした効果もあるとは思いますが、全体的にとてもジューシーで、パサつきがほとんど気になりませんでした。

4. ロティサリー機能で、じゃがいもをハッセルバックポテトにする

メークイン種のじゃがいもです

 「ロティサリー機能」では野菜も調理できるそうなので、試しにじゃがいもでハッセルバックポテトを作ってみます。ハッセルバックポテトはスウェーデンの郷土料理で、細く切れ目を入れたじゃがいもをオーブンで焼いた料理のこと。加熱しても崩れにくいメークイン種のじゃがいもを使い、包丁で切り離さない程度に切れ目を入れた後(両脇を割り箸で挟んでおくとよい)、切り口のでんぷん質を取り除くためによく水で洗います。

こんがりと焼き上がったじゃがいも

 表面の水気を拭いたじゃがいもをロティサリー専用のかごに入れて、240℃にて40分加熱したところ、切れ目の一つ一つに存在感がみなぎる焼き上がりとなりました。期待が高まりますね……!

八ッセルバックポテトのできあがりです

 仕上げとして、溶かしバター、パルミジャーノ・レッジャーノとチェダーチーズ、塩、胡椒をかけて、オーブン機能を使って240℃で10分ほど焼きました。早速試食すると、スライスされた表面はサクサクとした食感で、中心部はほくほくして柔らかい。焼けたバターとチーズが香ばしくて、完全にお店の味にできあがっていました。なお、後日、全く同じ下ごしらえと加熱量で、自宅の電子レンジオーブンでも調理してみたのですが、この食感を再現することはできませんでした。

5. ロティサリー機能で、焼きなすを作る

下ごしらえしたなすです

 調子に乗って、野菜をもう一品。なすを丸焼きにしてみます。下ごしらえとして、ヘタの周囲にぐるりと一周浅く切り込みを入れた後、表面を全体的にすりこぎの棒などで軽く叩いておきます。こうすると焼いたあとに皮を剥きやすくなります。

なすの焼き上がり

 ロティサリー機能を使い240℃で30分加熱したところ、自動で回転してくれるので、放っておいても全体がむらなく焼きあがりました。焼き上がったなすはまな板に乗せ、指先を流水で冷やしながら、切れ目を入れておいたヘタの周囲から皮を剥いていき、包丁で食べやすいように切り分けます。

ベーシックな焼きなす、できあがりです

 今回は、そばつゆと生姜を添えてベーシックな焼きなすに仕上げました。

 調理過程で感じたのは、素材からの水分の流出がとても少ないこと。ロースターを使って直火でなすを丸焼きにした場合と比べて、「ロティサリーグリル&スモーク」を使うと、トレイに落ちる水分量がとても少なかったです。実食した感想としても、中心部まできちんと火が入っているのに、ジューシーかつ身がしっかりしていて食べごたえがありました。

6. 燻製機能も試してみた

燻製専用容器に燻製用チップをセット

 ロティサリー機能は充分に堪能したので、次は燻製機能を試してみます。燻製機能の使い方は簡単で、まずは燻製専用容器(写真)の中央のくぼみに市販の燻製用チップをセット。

旬の秋刀魚を燻製します

 アルミホイルで包んだ専用網の上に素材を乗せて燻製専用容器の中に置き、アルミホイルで蓋をしてから「ロティサリーグリル&スモーク」に入れて、「くんせい」モードのタイマーをセットするだけ。今回は、秋刀魚(さんま)を三枚におろして塩をふった後に、吸水シートで挟んで水分を抜いたもの(冷蔵庫で一晩おいたもの)を素材にしました。

きれいな色に燻せました

 「くんせい」モードの「高温」にて、20分加熱。気になるのは調理中の煙ですが、「減煙機構」の働きによるものか、白い煙はほとんど出ませんでした。燻製らしい匂いは多少漂いますが、私物の減煙機能がついた燻製専用鍋と変わらないくらいで、換気扇を強めにかけておけば室内でも気にならない程度。

 肝心のできあがりは、燻製らしい色合いとチップの香ばしい匂いがしっかりとついて、燻製専用鍋にも全くひけを取らない完成度。秋刀魚の燻製、おいしかったです。

茹でたこも燻製しました

 もう一品、身近で手に入る材料として茹でたこ(塩をふってからラップをせずに冷蔵庫に一晩おいて表面を乾燥させたもの)も燻製にしたのですが、こちらもなかなかの出来栄えでした。「くんせい」モードの「高温」を選び、20分加熱しています。

 今回お借りした試作機では、使用できる「くんせい」モードが高温のみだったのですが、実際の製品では、低温での燻製(いわゆる冷燻)が選べるところも気になるポイント。冷燻ができれば、お刺身をさっとスモークして燻香をつけるといったプロっぽい技も使えるようになるため、燻製料理の幅がぐっと広がりそうです。

 多機能小型グリルに付属する燻製機能としては、十分すぎる性能だと感じました。

※お詫びと訂正:初出時、「くんせい」モードでいわゆる冷燻ができると記載していましたが、冷燻はできません。くんせいモードには「高温/低温」の区別がありますが、ここで言う低温は、高温に対しての相対的な低さをあらわすもの。6Pチーズのような小さめのチーズやプチトマトなどやや柔らかい食材の燻製ができるというものでした。関係者のみなさまにお詫びし、訂正します(11日・編集部)

7. はたしてトーストはこんがり焼けるのか

こんがりきつね色のトーストです

 最後に、トースター機能を使って山形食パンを焼いてみました。こんがりきつね色に焼けましたね。多機能調理家電に付属するトースター機能は焼き加減がいまいちだったり、時間がかかりすぎることも多いのですが、「ロティサリーグリル&スモーク」のトースター機能は専用機と遜色なく使える性能でした。

おいしいローストビーフサンド!

 せっかくトーストを焼いたので、バター、マヨネーズ、マスタード、マッシュポテト、ローストビーフにクレソンの順で乗せて黒胡椒とタレをかけて、ローストビーフサンドにしてみました。すごくおいしかったです。

8. 実際使い倒した感想

「ロティサリーグリル&スモーク」のある食卓

 以上、「ロティサリーグリル&スモーク」を実際に使ってみた感想としては、予想していたよりもずっと各機能(ロティサリー、燻製、トースター)の性能が高くて、1台あるだけで、おもてなし料理のレベルが上がって料理がより楽しくなりそうです。特にロティサリー機能は、かたまり肉だけでなく、野菜を使う場合でも、直火、電気オーブン、低温調理機による調理のどれとも違う、今までにないできあがりになりました。燻製機能とトースター機能もしっかりしているので、本当にこれ1台で4通りの使い方ができそうです。

 一方、ネックになりそうなのは、ロティサリー機能の加熱時間の長さ。かたまり肉で1時間弱、じゃがいもで40分、なすでも30分。どれもそれだけの価値のある仕上がりなのですが、日常使いするには少し長く感じますね。ちなみに、消費電力はロティサリーで約990Wなので、1時間の加熱で約26円(1kWh/1時間あたり26円で計算)。電気代への影響はそれほど大きくなさそうです。

 また、機能上仕方ないのですが、電子レンジ機能はついていないので、電子レンジと併用するとなると日本の台所事情的にはちょっとサイズが大きくて、置き場所に苦慮するような気もします。

 とはいえ、ビジュアル的にもとても楽しい、これまでになかった調理家電であることは間違いなく、今までと一味違った調理を試したい人にはとてもお勧めできる製品だと思います。

以上

主な仕様
型番 NB-RDX100
調理 オーブン・グリル・ロティ・くんせい(高温/低温)
ヒーター 近赤外線・遠赤外線 各1本(上)、遠赤外線 3本(下)
温度調節 7段階(120-240℃)※くんせいは除く
サイズ 幅405×奥行416×高さ280mm
重量 8.6kg ※焼き網使用時
消費電力
ロティサリー 約990W
燻製 約840W
グリル 約1350W
オーブン 約1350W
発売時期 2017年11月上旬
想定実売価格 5万5000円
公式サイト http://panasonic.jp/rotisserie/

■Amazon.co.jpで購入



■筆者紹介──ぶち猫

ぶち猫二匹と暮らしています。趣味は料理、お菓子作りと写真。主に食べ物にまつわるあれこれをブログに綴ったりもしています。ブログ:ぶち猫おかわり(http://buchineko-okawari.hatenablog.com/) Twitter:@buchineko_okawa(https://twitter.com/buchineko_okawa

カテゴリートップへ