「他の作業員に伝えて全体の技能をアップさせることも重要です」(MQC部隊:ワンさん)
MQC部隊の方々は不良が出た製品の修理など、品質管理を担当する作業員。はんだ付けなどの作業も伴うため、MQC部隊の方々も、非常に優れた技能を備えるメンバーだ。話を聞いたのは、品質保証部門のワンさん、組立ラインで発生した不良の解析修理を担当しているテイさん、SMTオペレーターのリュウさん。
――普段の作業で心がけていることを教えてください。
ワンさん「まずは安全第一。次は品質で、最もいい製品を作ることです」
テイさん「品質の意識が最も大事です。エンジニアにフィードバックして問題を伝えることが重要です。次に安全です」
リュウさん「自分の担当する部分では不具合を出さないようにすることが最も大事です」
――TIHで働いていて感じる、いいところと悪いところを教えてください。
ワンさん「いいところは、杭州がいい街で、国の体制も整備されている点です。悪いところは……、夏が暑すぎるところです(笑)」
テイさん「会社として作業員を大事にしてくれるところです。立って仕事をしていますが、立っている床は柔らかくなっていて疲れにくいです。また、勉強のチャンスや技能コンテストへの参加で、レベルアップのチャンスもあります。悪いところは、浙江省の料理は味が薄くてちょっと合わないところです(笑)」
リュウさん「工場での仕事は初めてですが、働いていて気持ちが良くて、家族のような感じで楽しいです。悪いところは特にありません」
――将来の目標は?
ワンさん「先週、全東芝の技能コンテストに参加しましたが、自分の技能を発揮して会社に貢献するほかに、他の作業員に伝えて全体の技能をアップさせることも重要です。あと、さらに自分の能力も高めて給料も上げたいです」
テイさん「今は一時解析修理を担当していますが、修理の範囲は広くないので、その範囲を広げて、すべての修理ができるようにしたいです」
リュウさん「技能コンテストに参加して、自分の足りない部分を見つけて、いいところを勉強して、他の作業員と一緒に力を合わせて努力したいです」
「努力すれば上に行くチャンスがあるし、報われる」(物流:マオさん)
TIHには、製品で使う部品の入荷や製造した製品の出荷を管理する物流部門(東芝ロジスティクス杭州社が担当)もある。部品の在庫や完成した製品を滞りなく出荷するなど、製造ライン同様に重要な部門となっている。話を聞いたのは、物流部門のマオさんと、日本語通訳もできる同部門のジョさん。
――普段の作業で心がけていることを教えてください。
マオさん「一番はやはり安全です。次に品質、そして効率に気を付けています」
ジョさん「日本語ができるので、日本人と現地作業員との架け橋になるように、日本語での指示を現地作業員にしっかり伝えるように努力しています」
――TIHで働いていて感じる、いいところと悪いところを教えてください。
マオさん「いいところは、勉強のチャンスが多いことと、努力すれば上に行くチャンスがあるし、報われるところです。悪いところはほとんどないですが、できれば休日がもっとほしいです(笑)」
――将来の目標は?
マオさん「最初は日系企業ということや、ルールに厳しい、そういうところがあこがれでしたが、会社と共に成長できたと思っています。物流は、適切なタイミングで適切な量を運ぶのが役目です。それに注力していますが、これからは自動化の投入などで人間のミスを減らしたいです」
ジョさん「もともとは仕事をして給料をもらって、お金を稼ぐのが目的でした。ただ、6年働いて、日本人とふれ合って一緒に働いていて、もっと会社を良くするために働きたいと思うようになりました」
「標準作業書を守らなくても不良を作らせない仕組みを作りたい」(幹部:ファンさん)
ここまではラインなどで働く作業員の方々に話を聞いたが、彼ら作業員を束ねる幹部社員の方にもインタビューしてみた。TIHでは幹部の方々も現地出身の方が多数を占めている。いずれもTIH創業初期から働いてる古参のメンバーだ。生産企画部で生産管理や人員教育を担当しているゾウさんは、副本部長という役職を勤めている。シーさんはPC製造部と製造技術部を兼務する幹部。そして、ファンさんは品質保証部の部長と、TIHには欠かせない役職の方々だ。
ゾウさんはもともとシンガポールのソニーの工場で生産管理を担当していたそうで、TIH入社後も生産管理を担当。TIH入社後に、日本からの駐在員に様々なことを教わりながら現在の役職まで昇進したというが、今後も楽しく仕事を続けて成長していきたいとのこと。そして、「今後自動化を進めていく中で、実際の状況に合わせた最適な生産方法を考え、競争力があり、元気のある工場へと発展させたい」と、さらなる成長と発展に貢献したいとのことだった。
シーさんは入社当初、PC修理解析を担当。当時のTIHは修理解析能力が低かったそうだが、日本の駐在員と協力して解析方法などを模索し、能力を高め、現在では短時間で問題を発見してフィードバックできる体制を構築。TIHに入社して、品質への意識が大きく向上したそうで、作業員と一緒に成長し、東芝のパソコンの品質を高められるのが嬉しいという。今後は、「品質は改善できるが、人の手ではどうしてもミスが発生するし、人件費も高い。自動化を進めてスマート工場化し、高い品質でコストの低いパソコンを作って行きたい」という。
ファンさんは品質保証部の部長という要職を務めている。元々は繊維会社で品質を担当していたそうで、TIH入社後も品質を担当。TIH入社後に、“東芝の品質を重視する考え方”に触れ、感銘を受けたという。他の会社に移った部下の話からも、TIHの品質管理のレベルの高さは今でも非常に高いものだと実感しているという。そして今後は、「不良が発生しない工場に発展させたい。設計段階から不良を作らせない仕組みを取り入れて、標準作業書を守らなくても不良を作らせない仕組みを作りたい」と、さらなる品質向上を目指したいという。
このように、今回TIHで働いている様々な役職や職種の作業員に話を聞いたが、大多数の作業員から、会社のために努力したい、また自分の能力を高めてレベルアップしたいという声が聞けた。もちろん、全能工やラインリーダーなら標準作業書を守るのが第一で、MQCなら不良のフィードバックなど、各パートでの目標は異なるが、どのパートからも“品質”、そして“安全”を意識する声が多かった。また、TIHへの愛にあふれるとともに、モチベーションやレベルアップへの意欲も非常に高いことがよくわかった。しかも、それが役職や部門に関係なく一様に同じような意識で、会社に対する不満もほとんどないという点にはかなり驚いた。こういった作業員が大勢在籍するTIHなら、送り出されるdynabookの品質も折り紙付きと言えそうだ。
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dynabook.com
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「2年保証」という品質へ。新dynabook Tシリーズ。
提供:東芝