吉永小百合さんのCMは高齢者の関心を引くため
株主の質問では、いくつかユニークなものもあった。
一部報道でシャープ製品を3割の人が買いたくないという結果が出ていることについて高橋社長は「これは残念なことである」としながらも「実売データをみると、相対的に落ち込みはない。4Kテレビ、冷蔵庫もシェアがあがっている」と回答。「3割が買わないといっても、7割は買ってもらえる」(高橋社長)とした。
また赤字が続くシャープがテレビCMに女優の吉永小百合さんを起用。「出演料が最も高いと言われる吉永小百合さんを、なぜシャープのテレビCMに起用し続けているのか」との質問が飛んだが、これに対しては「吉永小百合さんは私より上の年齢層には絶大な人気がある。吉永さんが出演するCMは、高齢者の関心が強い製品」としながら「出演料が高額といわれるが、詳細はいえないものの、深くシャープのことを考えてもらっている」と回答。シャープのテレビCMは吉永さんにとっても特別なものであることを匂わせた。
6月18日から流れている空気清浄機のテレビCM |
今回の株主総会は定時株主総会とともに、普通株主による種類株主総会を開催。2つの株主総会を合計すると4時間33分に及んだ。
これにより鴻海による買収が決定し、さらに高橋社長は鴻海の払込の完了にあわせて社長を退任することになる。
「社長に就任してからの3年間、経営理念、経営信条の原点に立ち返る努力をしてきたが、世の中のスピードについていけなかったことが問題だった」と反省する。
鴻海による払込後は、鴻海の戴正呉副総裁が社長を務め、鴻海主導での再建がスタートすることになる。
シャープ出身で払込後も副社長を務める野村勝明氏は「シャープはいつまでもシャープである」と語るが、それが本当に維持できるのか。そこにも株主たちの不安がある。そしてそれはシャープ製品を愛し続けてきたエンドユーザーにとっても共通の思いであろう。
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