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業界人の《ことば》から第200回

IoTプラットフォーム「Lumada」は日立の最終兵器になるか

2016年06月14日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「日立の社員のマインドセットを変えなくてはいけない。どうやったら顧客の課題を理解できるのか、どうやって解決していくのか。そういったことを考えられる人材育成を進めたい」(日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEOの東原敏昭氏)

世界に類を見ない日立の強みを全体最適化に活用

 日立製作所は2018年度を最終年度とする「2018中期経営計画」を発表した。2018年度の売上収益は10兆円、調整後営業利益率は8%超、EBIT率は8%超、当期純利益は4000億円超を目指す。海外売上比率は現在の48%から55%超に引き上げる。

 2015年度には10兆343億円の売上収益があったのに比べると、成長幅がないように見えるが、日立物流および日立キャピタルを連結子会社から持分法適用会社へと移行。日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEOの東原敏昭氏は「実質的にはこの2社を除いた9兆円レベルからのスタートであり、3年で1兆円の増収を目指すという認識。増収のうち、5000億円程度は、M&Aで賄うことになる」としたほか「フロントを強化していくなかで、グループ再編はこれからもあり得る」と語り、事業の入れ替えとともに、得意とする領域での体質強化に挑む姿勢をみせた。

中期経営計画の目標

 そして「日立の特徴は制御と運用によるOT(オペレーショナル・テクノロジー)と、IT(インフォメーションテクノロジー)の2つを持つこと。そしてプロダクト、システムを提供できる会社であること。こうした強みを持つ会社は、グローバルにみても、それほどあるわけではない」とし、「これまで日立が取り組んできた社会イノベーション事業は、個別最適に向けてITを活用することでより高い付加価値を提供することであった。今後はデジタル技術によってこれらをつないで、全体の最適化を目指すことになる」とする。

 たとえばこれまで生産現場の効率化や品質向上などを狙った提案から、eコマースや物流、金融までをつないだサプライチェーン全体の最適化提案を行なっていくという。そこに日立の強みを発揮できるというわけだ。

社内改変も着々と

 日立製作所では2016年4月から製品や技術を中心としたカンパニー制を廃止し、顧客セグメント別に構成する12のビジネスユニットに再編。これに地域拠点を加えた「フロント」という考え方を用い、フロント、プラットフォーム、プロダクトという3階層の構造へと組み替えた。

 フロントでは顧客との議論のなかで課題を見つけ、日立の技術、ノウハウをまとめて、サービスとして提供する役割を担うという。

 フロントにおいては2018年度までに2万人の人員増強を図り、13万人体制とする。なかでも「海外のフロント強化が焦眉の急であると考えている」とし、2万人のうち1万7000人が海外での増員。また今後3年間で1万9000人を対象にした特別研修プログラムによる人材育成にも取り組むという。

フロントの売上に期待を寄せているようだ

 「社会イノベーション事業を加速するためには、日立の社員のマインドセットを変えていかなくてはいけない。どうやったら顧客の課題を理解できるのか、どうやって解決していくのかということを考えることができる人材育成を進めたい」という。

 こうしたフロントの動きを下支えするのが、新たなIoTプラットフォームと位置づける「Lumada(illuminate data=ルマーダ)」である。

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