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ソニー、PlayStation 4好調で8年ぶり黒字もスマホが売れない

2016年05月01日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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デバイス事業に黄色信号

 さらに、ホームエンタテインメント&サウンド分野に含まれるテレビ事業は、258億円の営業黒字。「この数年で高付加価値モデルへのシフトと、販売会社までを含めたオペレーション力の向上で、収益構造の改善を実現できたことが結果に表れている」とした。テレビの出荷台数は、前年の1460万台から、1220万台に減少した。

 映画の売上高が前年比6.8%増の9381億円、営業利益が前年度から200億円減の385億円。音楽の売上高が10.4%増の6176億円、営業利益が267億円増の873億円、金融の売上高が1.0%減の1兆731億円、営業利益が368億円減の1565億円となった。

 気になるのは、成長戦略の原動力と位置づけられていたデバイスが、286億円の営業赤字となり、期初見通しから1496億円の大幅な下振れになっている点だ。とくに第4四半期は、799億円の赤字を計上している。

 ソニーのデバイス事業は、イメージセンサー、カメラモジュール、電池の3つに分けることができる。

 吉田副社長は、「イメージセンサーは、当社の成長ストーリーの中核であり、この業績悪化については大変重く受け止めている」と前置きし、「イメージセンサーについては、需要数量を大きく読み違えたことが原因。本格的な需要の回復は2016年度下期になる」とする。

2月にはスマホカメラ向けの3軸手ぶれ補正機能を搭載した撮像素子「Exmor RS」を発表しているが、こうした製品で巻き返せるかが気になるところ

 また、カメラモジュールは、組み立ての自動化を進めることで、歩留まりと利益率の向上を目指したものの、これが仕様変更と需要変動への対応力に欠けた事業構造となってしまったという。「カメラモジュール事業については、あるべき事業規模の再検討をしている」という。なお、カメラモジュールは、第4四半期において長期性資産の減損を596億円計上している。

 そして、電池は、2015年度は306億円の大規模な減損損失を計上。これは、2013年度の321億円の減損損失に続くもの。「今回の減損は、スマホ向けバッテリーにおいて基本性能で競合他社に劣後していたことが原因。性能改善に努めるとともに、より強みを有する高出力の液系バッテリーへのシフトを進めていく」と語る。

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