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【やばい】サイコパス"ドミネーター"発売へ 完成度が異常、これで8万円は安い(錯乱)

2016年02月05日 18時47分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 携帯型心理診断鎮圧執行システム、「ドミネーター」起動しました。

 ハードウェアスタートアップのCerevoが5日、ついに完成版「ドミネーター」を発表した。アニメ「サイコパス PSYCHO-PASS」に登場する特殊な銃を再現したガジェットだ。価格は7万9800円+税で8万6184円。

 18日から予約を開始、3月上旬に発送を開始する。今週末2月7日のワンダーフェスティバル(ワンフェス)でも予約は受け付ける。

「ドミネーター」8万6184円(写真はグリップの素材が異なるスペシャルエディションなのでもうちょっと高い。詳しくは後述)

 ドミネーターは、銃を向けた相手のストレス状態をもとに『犯罪係数』を特定し、射撃(執行)対象かどうかをクラウドシステム『シビュラシステム』に問い合わせるデジタル銃。所持者を生体センサーで認識し、射撃対象の犯罪係数(脅威判定)に応じて「パラライザー」「エリミネーター」に変形する。

 公安局刑事課一係に所属する執行官および監視官が所持を許された特殊な銃、という設定だ。Production I.G塩谷直義監督、ドミネーター・デザイナーであるニトロプラス石渡マコトさん監修のもと、1/1の精巧なモデルをつくりあげた。

犯罪係数が300以上だと

ガシャーンと変形して

エリミネーターに

 手短に言うと完成度が異常だ。

 機能としては、音声を再生し、LED発光し、タッチセンサー制御で、犯罪係数を測定できる。細かくいうと、

1. パラライザーからエリミネーターに電動変形する。
2. 銃の先にカメラを内蔵して顔認識で「犯罪係数」を測定する。
3. 声が出る。日高のり子さん録りおろしの音声が100種類以上収録。
4. グリップにタッチセンサーを内蔵し、握ると自動認識する。

 という感じ。

 ドミネーターで測定した犯罪係数はスマートフォンアプリでストリーミング表示する。ドミネーターとスマートフォンがWi-Fiで接続し、アプリに情報を送信する。実際に潜在犯を判定することはできないが、犯罪係数は個人ごとに異なるアルゴリズムになっている。グリップを握ったとき「誰」として認識されるかはアプリで設定可能。狡噛慎也執行官にも、常守朱監視官にもなれる。

 動作時間はパラライザーで90分、エリミネーターで30分。重量はバッテリーを入れて約750gで意外と軽い。スマートフォンはiOS 8.4以上、Android 4.4以上に対応する。Wi-FiはIEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)。

 音声はドミネーター内蔵スピーカーに加え、接続先のスマートフォンあるいはタブレットからも出力できる。外部スピーカーに出力すれば大きな音で日高さんの声が聴ける。サイズは原作の3Dモデルを忠実に再現しており、女性記者の手にはやや大きめだった。常守朱監視官は意外と手が大きいということがわかった。

ドミネーターを対象に向けると

犯罪係数を測定して変形する

先端部分にカメラが内蔵されている

 心底やばいのはハードだ。

 電動変形に使用するギアードモーターは、日本電産協力のもと本製品のためにつくりあげた特製モーター。汎用モーターを使った試作機が駆動に耐えきれず焼ききれてしまったことから独自開発にふりきった。最初は数十回で壊れていたものが、数千回の駆動でも壊れない設計に鍛えあげられた。

 モードに応じて発光状態を変化させるフルカラーLEDライトは驚異の217個を内蔵。LED照明1つ1つのささいな色ずれを目立たせないように工夫したうえ、LEDの粒が目立たないよう、面発光のイメージになるように素材を改良した。

 総部品点数は約1400点、うち機構部品だけで250点以上。ちなみにスマートフォンで1000点程度ということでスマートフォンをはるかに超えている。

 ちなみに、さらにディテールにこだわった「スペシャルエディション」というのもある。グリップ部分にローズウッド削り出しオイル磨き仕上げの素材を使用。アルミに合成ルビーでつくった公安局マークをあしらい、価格は8万9800円+税で9万6984円。通常版と比較してみたが最後、絶対にスペシャルエディションが欲しくなるので見ないほうが身のためだ。いいか絶対見るなよ。

217個のフルカラーLEDを搭載

通常版(下)、スペシャルエディション(上)

本番は木目がタテにそろうということ

 実際に遊んでみた。

 Cerevo岩佐琢磨代表の話を聞き終わるやいなや、記者たちが会場後方のデモブースに駆け込むような勢いで群がっていく。手に持つ。グリップが光る。「ユーザー認証、常守朱監視官。公安局刑事課所属、使用許諾確認。適正ユーザーです」(CV:日高のり子さん)。記者たちの「おおお」という声が漏れる。やばい。

 引き金を甘引きすると「犯罪係数オーバー300。執行モード、リーサル・エリミネーター。慎重に照準を定め対象を排除してください」。言い終わるが早いが、ガシャンガシャンガシャンと高速でエリミネーターに変形する。引き金を引ききると効果音が鳴る。そして執行を終えたのち、元の姿に戻る。

 アプリを「執行モード」にして、執行対象かどうか判定するため記者たちの顔に向ける。犯罪係数が表示される。なかなか100以上がおらず、会場のエリアストレスが上昇していく。引き金を引ききってダギューンと撃つと、執行対象の写真が撮影される。写真はツイッターなどにアップロードできるそうだ。

犯罪係数300オーバーの潜在犯を執行中の記者

執行が終わると元に戻る

刀がさやにおさまるように元通りに

笑いが止まらない、やばい

 クソ楽しい。もうだめ。エリミネーターに変形するときより、エリミネーターからパラライザーに戻ったときの快感がやばい。にやにやが止まらない。常守朱監視官っぽい髪型にしていてよかった。宜野座さんどこですか。

 なんでこんなものが作られたのか。

 Cerevoはもともと「グローバルニッチ」を旗印にかかげるハードウェアスタートアップ。要するに世界中にいるオタク(ギーク)にモノを売ろうぜというすがすがしい企業だ。インターネット配信用機材、スノーボーダー用ハイテクギアなどを開発して、世界47ヵ国で販売してきた。売上の海外比率は5割超。

 ドミネーターは「Screen2Real」(S2R)といい、アニメや映画に出てくるガジェットを現実のものにしようというプロジェクトで作られたもの。ただのおもちゃではなく「家電メーカーの技術とオタの熱意」をもって再現性の高いガジェットを開発する。価格は高いが、精度は異常に高い。

 ポリシーは「技術の無駄遣い」。客には心から「よくしょーもないことに技術を使ったな」と言ってほしいそうだ。

 くりかえすが完成度がやばい。これは演習ではない。サイコパスを一話でも見た人は全員見てほしい。ドミネーターを手にとってみてほしい。ドミネーターの向こうにあるシビュラシステムの正体に思いをはせてほしい。願わくはFitbitのようなウェアラブルデバイスと連携して心拍数をもとに犯罪係数を割り出してほしい。

 次は捜査用ドローンか環境ホロでおねがいします。


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盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、記者自由型。好きなものは新しいもの、美しい人。腕時計「Knot」ヒットの火つけ役。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中

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