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IFA 2015レポート ― 第20回

Xperiaシリーズ進化の序章!? Xperia Z5シリーズ誕生秘話を聞いた!

2015年09月08日 10時00分更新

文● 平澤寿康 編集● ASCII.jp

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 ソニーモバイルはドイツで開催中のIFA 2015で、最新フラッグシップスマートフォン「Xperia Z5」シリーズ3機種を発表した。

 カメラ機能の強化や、スマートフォンとしては初となる4K液晶の搭載など、話題の多いZ5シリーズだが、どのように生まれ、また新たに搭載された技術にはどういった特徴があるのか。Xperiaシリーズの開発を統括している、ソニーモバイル プロダクトビジネスグループ UXクリエイティブデザイン&プランニング・プロダクトプランニングの伊藤博史氏に話を伺った。

デザインはファッションのトレンドを取り入れ
カメラはユーザーの要望を反映

 Xperia Zシリーズのデザインについては、Z4から少し方向性を変えているという。

「Z5シリーズでは、どのように本体を持っても画面が中央に位置する“オムニバランスデザイン”というこだわりを継承しながら、日常生活に溶け込んで心地いい上質デザインを目指しました」

と伊藤氏は説明する。ファッションやインテリアなどのトレンドを参考にしつつ、背面に“フロストガラス”(すりガラス)を採用し、より深みや情実感を感じられるようなデザインを目指したり、カラバリにもファッション関連のトレンド色を取り入れているという。Z5 Premiumについては、プレミアム感を高めるために、背面に光沢感の強いガラスを採用している。

ソニーモバイル プロダクトビジネスグループ UXクリエイティブデザイン&プランニング・プロダクトプランニングの伊藤博史氏Xperia Z5シリーズでは、ファッションやインテリアなどのトレンドを参考に、日常に溶け込むデザインを追求

 また、Z5シリーズでモジュールが一新されたカメラ機能については、

「ユーザーの皆様からの要望を踏まえて、センサーを含めて一から作り直した」

という。例えば、従来までの不満として大きかったオートフォーカス(AF)の遅さを解消するために位相差センサーを搭載し、位相差AFとコントラストAFと合わせた“ハイブリッドAF”とすることで、約0.03秒の高速AFを実現した。

 伊藤氏は「一眼レフに迫るAFスピード」と表現したが、実際にZ5シリーズのAFの素早さには、従来までのストレスは感じない。

 その他、CMOSセンサーの画素数が2300万画素に高まったのに合わせレンズを6枚構成(従来は5枚構成)にしたり、品質劣化の少ない5倍ズームを実現するなどの強化を実現。

 こういったカメラ機能の強化については、

「ソニーの一眼カメラ「αシリーズ」の技術者との連携を高めることで実現した」

とのこと。

 ただ、Z5シリーズではイメージセンサーの画素数が増えたことで、画素自体の感度はどうしても低下してしまう。この点については、

「感度が不利になるのは事実だが、信号処理などで補完しており問題がない」

と説明。今回は5倍ズームを実現したかったのと、手ブレ補正の向上などのメリットもあり、この画素数に決めたのだという。

カメラモジュールを一新し、1/2.3インチ2300万画素CMOSセンサーや、6枚構成レンズなどを採用している位相差AFとコントラストAFを組み合わせ、0.03秒の高速AFを実現。素早く動く物体にもしっかりピントが合うという

4Kディスプレーの搭載は大きなチャレンジ

 今回Z5シリーズで最も大きなトピックとなっているのが、Z5 Premiumで4K(2160×3840ドット)液晶を採用している点だ。この点について伊藤氏は

「フルHDの次のディスプレーの解像度を考えたときに、コンテンツも作っているソニーとしては4Kしかなかった。また、“ブラビア”シリーズなどで培った高画質技術を取り入れた、新しい画質体験をしていただきたかった」

と指摘。4K液晶の採用は既定路線だったのかもしれない。

 ただ、4K液晶はフルHD液晶に比べて消費電力が高く、バッテリー駆動時間に大きな影響を与えることになる。事実、1年前に伊藤氏は、スマートフォンで4K液晶を採用するのは、消費電力などの観点から非常に難しいと指摘していた。しかし、ディスプレーにメモリーを搭載して書き換え頻度を減らしたり、動画や映像を表示する場合以外(ホームスクリーン表示時など)はフルHDで処理を行なうことでCPUやGPUの処理を軽減するといった最適化などで消費電力を低減。

 また、ディスプレー自体の薄型化により大容量バッテリーが搭載可能となり、内部規定で測定した結果、約2日の駆動を確保できるようになったという。

「1年前には、そういった部分が見えていなかったために、スマートフォンへの4Kディスプレー搭載には懐疑的だったが、その後さまざまな技術の進化があったからこそ、4Kディスプレーの搭載が可能になった」

と伊藤氏は話した。

Z5 Premiumではスマートフォン初となる5.5型4K液晶を搭載。ソニーの高画質技術も合わせ、高品質表示を実現しているという。下はZ3だが、鮮やかさやコントラストにかなり差が見えるフルHD液晶と比べると、表示画像の精細感にも大きな差が。また、省電力化の仕組みも取り入れ、2日間のバッテリー駆動も確保しているとのこと

※製品名に誤りがありました。修正してお詫びいたします(9月10日)

Z5シリーズは「Zシリーズの究極形」

 Z4登場時に「Zシリーズの完成形」という表現で紹介されたこともあり、Zシリーズはこれが最後、という印象を強く持ったユーザーも多かったと思う。しかし、今回登場したZ5シリーズは、製品名称やデザインなど従来の延長線上の製品という印象が強い。なぜシリーズ名やデザインの大幅変更にはならなかったのか。

 今回のインタビューでの質疑応答で、実際にこの点について伊藤氏に質問してみたところ、

「Z4で“完成形”という表現はしましたが、さらに次の技術がやってきて、もう一段階上の、さらに次の集大成の製品を出したいという材料が揃った、というのが背景です。デザインに関しては、確かに代わり映えしないという声も聞きますが、日々の体感としてはかなり違うという声もいただきます。Xperiaとして大切なところをキープしながら、変化させていこうと考えています」

との回答をいただいた。

 今回のZ5シリーズは、Zシリーズで受け継がれてきている“ワンソニーの集大成”という部分での進化が大きかったので、Zシリーズの最上位であり集大成ということで、従来のZシリーズの延長線上ということに落ち着いたのだという。

 ただ伊藤氏は、Z5シリーズを“Zシリーズの究極形”と表現しつつ、

「将来の新しいXperiaシリーズへの架け橋になるような存在にしたい。今回のZ5シリーズで、Xperiaシリーズの変化の序章を感じ取っていただければと思う」

とコメントし、今後の大きな変化への含みも持たせた。

Z5 Premiumを手に説明する伊藤氏。Z5シリーズは「Zシリーズの究極形」とのこと
  Xperia Z5 Xperia Z5
Compact
Xperia Z5
Premium
Xperia Z4
(参考)
ディスプレー 5.2型液晶 4.6型液晶 5.5型液晶 5.2型液晶
画面解像度 1080×1920
ドット
720×1280
ドット
2160×3840
ドット
1080×1920
ドット
サイズ 72×146
×7.3mm
65×127
×8.9mm
76×154.4
×7.8mm
72×146
×6.9mm
重量 154g 138g 180g 144g
CPU Snapdragon 810(オクタコア) Snapdragon 810
(オクタコア)
内蔵メモリー 3GB 2GB 3GB 3GB
ストレージ 32GB 32GB
外部メモリー microSDXC(最大200GB) microSDXC(最大128GB)
OS Android 5.1 Android 5.0
カメラ画素数 リア:23メガ/イン:5メガ リア:20メガ
イン:5メガ
バッテリー容量 2900mAh 2700mAh 3430mAh 2930mAh
防水/防塵 ○/○ ○/○
カラバリ White、Graphite Black、Green、Gold White、Graphite Black、Coral、Yellow Chrome、Black、Gold White、Black、Copper、Aqua Green

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