とりあえず1台で使ってみる
ひとまずSRS-X11単独の仕様と印象をお伝えしましょう。大きさは一辺の長さがおよそ61mmの正方形で、重さはおよそ215g。モバイルスピーカーとして、いい感じのスペックです。
本体色はレッド、ブルー、ピンク、ホワイト、ブラックの5色。本体色と同じストラップが付属していて、フックに吊るすなど部屋の中でも場所を取らず、かつおしゃれな感じで置いておけます。この辺りは女性ユーザーにアピールしたいところなのでしょう。
スピーカー構成は、本体正面に45mmのメインユニット、左右両側面にパッシブラジエーターが配置されています。つまりダブルパッシブラジエーターという豪華仕様。アンプの実用出力は10Wで、このサイズとしては結構パワフルで余裕があります。
でも、軽くてパワーのあるパッシブラジエーター搭載モデルというと、振動による「歩行」現象を起こしがちです。これに対しては、細いパッキンのような滑り止めゴムが、底面と背面の縁をぐるっと一周していて、効果的に歩行を防いでくれているようです。テスト期間中、一度も歩きませんでした。
スピーカー面を上にしても置ける
期待の音質ですが、さすがに低音の勢いはサイズを凌駕するものがあり、1台で使っても十分な迫力があります。ディープな領域の低域成分はもうひとつですが、サイズと重量を勘案すると、かなり頑張っていると言えます。重さよりもパンチで勝負するタイプですね。
ただ、机の上にベタ置きすると、あまり高域が聴こえてきません。小型で背が低く、メインユニットがまっすぐ前を向いているので、直進性の強い高域成分が耳に届かないわけです、残念ながら。
でも、背面にすべり止めがあるということは、メインユニットを上に向けた設置スタイルも想定しているわけです。実際、スピーカーとの距離が近い場合は、上に向けた方が高域も含め、好ましいバランスで聴けました。
モノラルで使う場合はこれで十分ですが、ステレオ再生を前提にするなら、斜め置きができるおしゃれなスタンドなんかも欲しいところです。
Bluetooth規格はVer.3.0準拠で、オーディオコーデックはSBCのみ。マイク内蔵でハンズフリー通話にも対応します。バッテリーはリチウムイオン充電池で、背面のmicroUSB端子を利用して充電。およそ4時間の充電で、12時間ほど連続でワイヤレス再生ができるとメーカーは言っています。
(次ページでは、「2台接続を試してみる」)