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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第39回

次回コミックマーケット88のトレンドも予想してみた

恒例!コミックマーケット87とpixivの二次創作人気を調べてみた

2014年12月18日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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拡大する艦これ・ハイキュー!!・弱虫ペダル・ラブライブ!
コミックマーケット87で多い作品

 上記の方法で調べたコミックマーケット87で多かった作品はグラフ2の通りです。参考にコミックマーケット86での数も載せています。

コミックマーケット87のWebカタログ・冊子カタログ・DVD-ROMカタログを参考に、今回参加している各作品の二次創作サークルの数を概算したもの。調査方法と正確な数字は求めるのが困難のため参考程度に。グラフが青いのは男性サークル寄り、赤いのは女性サークル寄りの作品。VOCALOIDは本文の記述の通りのため紫とした。また参考にコミックマーケット86のサークル数を灰色で示している

 前回同様「艦隊これくしょん」が今回最も多く、また450サークルほど増加しています。次いで「東方Project」が多いですが、150サークルほど減少。これまでの傾向が継続しています。

 グラフ3で作品が該当するジャンルコード(上記の説明でいう(2)のもの)と、その他のジャンルコード(上記の説明でいう(3)のもの)でのサークル数をグラフにしてみました。これで見ると今回も「艦隊これくしょん」では3割ほどのサークルが「男性向」のジャンルコードで参加しているようです。これは今回の「男性向」内の2割に相当し、「男性向」内でも最もサークル数の多い作品です。

 一方で「東方Project」は「男性向」で申し込んでいるサークルはほとんどありませんが、これはそれぞれのジャンルコードの方針の違いによるもの。

 前回86の「配置担当者の一言コーナー」ではジャンルコードの「艦これ」は「男性向けのハードな内容のものについては、ジャンル200「男性向」での申込を強く推奨します」とあり、「男性向」での申し込みを推奨しているのに対して、「東方Project」では「18禁描写がある作品をお持ちの際は「成人向有」や「18禁描写あり」を記載ください」等の注意があるのみで、「男性向」への誘導等は特に行なっていませんし、実際「東方Project」のジャンルコードでは多数の成人向け作品のサークルが参加しています。

 これはジャンルコード「艦これ」が一般向けジャンルの「ゲーム(その他)」から分岐しているのに対して、ジャンルコード「東方Project」は男性寄りの「同人ソフト」から分岐しているという歴史的な事情によるものです。二次創作ジャンル全体としては「艦これ」のような扱い(男性向けは「男性向」推奨)が一般的です。

 ほか男性寄りでは前回取り上げた「アイドルマスター」が今回も多いです。特に今回の増加に関しては、ちょうど7月からサービスを再開した男性アイドルを育てるソーシャルゲーム「アイドルマスターSideM」の影響が大きく、「ギャルゲー」「男性向」でSideMのサークルがかなり見られたほか、女性向けゲームのサークルが参加する「ゲーム(恋愛)」でも多数の申込みがありました。

 また同じ「ギャルゲー」ジャンルの中では「ラブライブ!」が前回予想した通り成長を続けています。「男性向」のサークルの比率も高いです。

 女性寄りの作品では、作品が最終回を迎えた「黒子のバスケ」が今回もトップです。ただし今回もサークル数を減らしており、やはり同人人気は落ちつきだしている印象です。

 変わって前回予想した通り「ハイキュー!!」「弱虫ペダル」はサークル数が大幅に拡大。弱虫ペダルはアニメ放送中で前々回紹介した通り人気が高いですし、後述のように「ハイキュー!!」はアニメ終了後も人気が継続しています。この2作品は夏コミでも拡大する見通しです。

 ほか、昨年アニメ化した「進撃の巨人」はややサークル数が減少。アニメ2期が放送中だった「Free!」はサークル増。老舗の感もある「TIGER&BUNNY」もサークル数が今回は増えました。ネット人気の高い「ヘタリア」は今回下がっています。

 「VOCALOID」は過去に紹介している通り若干特殊なジャンルで、マンガなどの同人誌は女性作家が多く、VOCALOIDを使った同人音楽等は男性作家(ボカロP)が比較的多いです。今回もサークル数を減らしており、減少傾向が伺えます。なお「カゲロウプロジェクト」は今回「VOCALOID」の中で集計しましたが、12サークルと前回より半減しています。ちなみにこの調査ではUTAUや亜種も「VOCALOID」の枠で集計しています。

 以下、「戦国BASARA」「銀魂」「うたのプリンスさまっ」「魔法少女まどか☆マギカ」「ジョジョの奇妙な冒険」「テニスの王子様」などのサークルが多くみられました。

 全体的なジャンルコードの動きとしては、ジャンルコード「艦これ」が342増加。「Free!」ほかいくつか人気の増しているアニメ作品のある「アニメ(その他)」が234の増。ほか「弱虫ペダル」のある「FC(少年)」、萌え4コマ系のサークルなどがじわじわ増えだしている「FC(青年)」などでサークルが増加しています。「評論・情報」も毎回サークル数が増えており、現在900を超え、そろそろ1000に届きそうな大ジャンルになりつつあります。

 逆にサークル数を減らしているのは「東方Project」「ゲーム(RPG)」「テニスの王子様」「特撮・SF・ファンタジー」「ヘタリア」など。

 ジャンルコード別のサークル数の細かい数字は筆者のブログにてすでに公開していますのでそちらをご参照ください。

グラフ2と同様の各作品のサークルの数を、申込みジャンルコードについて通常誘導される該当ジャンルコード、男性向、それ以外(コスプレ等)で分けた積み上げグラフ。「艦隊これくしょん」「アイドルマスター」「ラブライブ!」で男性向での参加が多いことが分かる

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