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業界人の《ことば》から 第116回

4台に1台をハイレゾ化したい、ソニーの思惑

Androidやめて、ウォークマンらしさ出せている

2014年11月04日 09時00分更新

文● 大河原克行

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ハイレゾのキーワードが浸透、普及期に

 やはり人気の原因は、ハイレゾオーディオ対応という点だ。

ハイレゾロゴをつけて、製品をアピール

 ソニーでは、「ソニーは、ハイレゾ。」をキーワードに、今年度のオーディオ事業を展開。新市場の開拓に力を注ぐ。

 ウォークマンにおいては、ハイレゾ元年と位置づけた2013年に、「NW-F880シリーズ」と「NW-ZX1」を発売。これがヒット商品となった。

 だが、このときのターゲットユーザーは、40代以上の男性。とくに、NW-ZX1は、ポータブルオーディオプレーヤーでありながら、7万5000円という価格設定であり、オーディオに強い関心を持つコアユーザーといえる層をターゲットとしていたことがわかる。

 それに対して、今回発売するNW-A16/NW-A17では、32GBの NW-A16の市場想定価格が2万5000円前後と、ボリュームゾーンをターゲットにした製品であり、これによって、ハイレゾユーザーを一気に拡大する考えだ。

ハイレゾの認知度はすでに半数に迫る

 河野社長は、ハイレゾオーディオの拡大に向けた兆行がすでに出ているとする。

 ひとつは、ハイレゾに対する認知度が高まっている点だ。

 同社の調べによると、ハイレゾの認知度は今年6月には25.8%であったが、9月には48.2%にまで上昇しているという。

ソニーマーケティングの河野弘社長

 そして、もうひとつは、ダウンロードランキングにおいて興味深い結果が出ている点だ。

 「moraのハイレゾ音楽のダウンロードランキングをみると、マイケル・ジャクソンや中森明菜をはじめ、40代以上の人たちが中心に聞いていると思われる楽曲が上位にある。だがその一方で、アニソン(アニメソング)が上位に入ってきている。これは、若い世代においても、ハイレゾオーディオに対する関心が高まっていることの裏付けになる。NW-A16およびNW-A17はそうした層をターゲットにしていく製品にもなる」と語る。

40代以上が好きな中森明菜やマイケル・ジャクソンに加えて、アニソンの人気がハイレゾ市場の大きな特徴だ。

 こうした動きもボリュームゾーンに対してハイレゾ対応ウォークマンを投入する背景のひとつだ。

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