導入方法からOffice Mobileとの連携まで解説
新しいクラウド型Office「Office 365 Solo」を試した!
2014年10月27日 09時00分更新
OneDrive 1TBと毎月60分Skype無料通話がついてくる
Office 365 Soloには、1TBのクラウドストレージ「OneDrive」の使用権が付属している。後述するマルチデバイスの活用にはOneDriveが大いに役立つため、1TBという大容量は非常にありがたい。
もう1つの特典として、60の国/地域の固定電話への毎月60分のSkype通話が無料となる。マイアカウントページから「アクティブ化」タブを選択後、プランを追加したいSkypeアカウントを選択するだけ。筆者はOffice 365 Soloを登録したMicrosoftアカウントではなく、すでに持っている別のアカウントで登録してみたが、しっかり60分無料通話プランが使えるようになっていた。
マルチデバイスに注目、Office Mobileで簡単な編集が可能に
Office 365 Soloはマルチデバイス対応として、Android/iOSスマートフォン、iPadとの「Office Mobile」アプリによる連携をうたっている。ただし、iPad版Office Mobileは日本でまだ提供されておらず(年内に提供予定)、Androidタブレットはそもそもアプリに対応していないので、注意する必要がある。
表示に対応するのはWord、Excel、PowerPointのドキュメントのみ。OneDrive上のドキュメントの閲覧と編集、新たにドキュメントの作成も可能だ(PowerPointのみ、新規作成に対応していない)。新規作成・OneDrive上からダウンロードしたドキュメントに関わらず、保存はOneDrive上にのみ行える。
UIはPC/Mac版とは大きく異なり、画面に表示される情報は極力少なめに抑えられている。Wordでは文字の入力、および太字や斜線のような簡単な文字装飾が可能だ。校正など手の込んだ編集は難しいが、シンプルな文章を作成したい時、出先でちょっと直したい時など、PCを取り出すまでもなくすぐに対応できるため、取り回しは非常にいい。
Excelではセルへの入力はもちろん、文字装飾やグラフ挿入、データの並べ替えや関数の設定が可能となっている。ただし、すべての関数が使えるわけではないようだ。さらに大きな注意点として、マクロはまったく実行できない。マクロを含むファイル自体を閲覧することは可能だ。
また、一部ファイルの内容や保存方法により、編集ができない場合があるのは少し不便だ。例えば、Office 97-2003の古い拡張子のドキュメントは閲覧にしか対応しない。Wordでいえば「.doc」、Excelでは「.xls」のドキュメントがこれに該当する。そのほか、Wordでは変更履歴が有効になっている、フレームが含まれる、XMLタグにサポートされていない値が含まれている場合などに編集が不可能となり、ExcelはOffice Mobile側でサポートしない関数を含む、大きな幅の列や行を使っている場合などに編集できなくなるようだ。どこからが編集不可なのか、微妙にわかりづらいので、そこはストレスになるかもしれない。
WordもExcelも編集できるのは便利なのだが、モバイルの制約もあり、編集機能についてはやや不満が残る。よりPC版のレイアウトに近く、充実した編集機能が活用できる「Office for iPad」、あるいはAndroidタブレット対応版がリリースされれば、マルチデバイス対応の真価が発揮されるのではないだろうか。
(続く)
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