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アプリを無料で広めよう!6つの広報活動と実施のポイント (2/2)

2014年10月27日 11時00分更新

文●池村 修/エキサイト

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3.TwitterやFacebookアカウントでの告知:バイラル効果を狙う

 バイラル効果を生むTwitterやFacebookのSNSサービスも広報に活用できます。SNSサービスで話題になれば、ファンユーザーからその周辺の友達、さらにその周辺の友達へと拡散する可能性があります。運よく有名アカウントがリツイートやシェアを促してくれれば、そのアカウントに紐付くユーザーにもリーチできます。

 TwitterやFacebookのアカウントを取得するのは簡単ですが、ユーザーにフォローされなければ意味がありません。アプリのランディングページやアプリ内に、公式Twitter/Facebookへの誘導枠を設けたり、イベントや企画で公式アカウントの存在をアピールしたり、ユーザーがフォローしやすい状況を整えましょう。

 SNSへの投稿は文字数に制限があり、スマートフォンなどのモバイル端末から閲覧することも多いので、投稿内容は短く簡潔にまとめ、画像1〜2枚にダウンロード用にストアURLを発信します

 以下は実際にエキサイトの公式アカウントで発信した情報の例です(左はTwitter、右はFacebook)。

 Twitterの例は「おとえほん」というアプリ名とセール情報を記述し、Facebookの例は「アプリアップデートのお知らせ」とタイトルで、画像とストアへのリンクをつけて発信しています。画像はトリミングしても良いですが、見づらくならないようにしましょう。

 SNSでの告知も、プレスリリースやレビューサイトへ依頼するタイミングとあわせることで、相乗効果を狙えます。公式アカウントを使って、ニュース記事やレビューサイトの記事をリツイート/シェアすることで、記事の「にぎわい」を演出し、さらにユーザーを引き付けることができます。

4.アプリ紹介ページの設置:Webでアプリの告知をする

 自社のアプリや自社に関心のあるユーザーがWebで検索したときのランディングページとして、Web上にアプリ紹介ページを用意します。エキサイトでは、自社のすべてのアプリを紹介するサイトを作り、各アプリの紹介ページを作成しています。


エキサイトのスマートフォンアプリ情報!iPhone、iPad、Android、最新トピックス
http://apps.excite.co.jp/

 特に宣伝したいアプリや、最新のアプリトピックスを目立たせ、注力しているアプリのダウンロードを促進しています。個別のアプリは「有料/無料」、「対応デバイス」、「対応OS」で検索でき、App StoreやGoogle Playへ遷移しやすくしています。

 紹介ページはWordPressなどのオープンソースソフトを活用すれば簡単にコストをかけず作れます。スマートフォンに最適化したサイトが作できるプラグインなども活用するといいでしょう。

5.自社サイト内ブログで紹介:開発裏話などで興味を引く

 プレスリリースを配信し、レビューサイトにレビューを依頼しても、記事になるとは限りません。そこで、自社でもブログを開設して、アプリの魅力を伝えましょう。

 アプリの新機能情報やアプリの開発裏話を発信することで、アプリを身近に感じたユーザーが知人に紹介してくれるかもしれませんし、ブログのコメントでアプリについて評価や意見を収集できます。業界向けのブログの場合はプレスリリースのような効果が見込めます。他の施策のような記述ルールは特に定めていません。

 エキサイトでは、アプリチームのプロデューサーエンジニアデザイナーが各々の立場でブログを運営し、アプリやアプリの技術情報をアピールしています。具体的には、iPhone 4からiPhone 5へ画面拡大した際の画像サイズの解説や、OSアップデート時に必要になった素材パーツの変更点、プロモーションの実績、開発で苦労した話等、アプリリリースや市場環境が変わるタイミングで更新することが多いです。

 左図:実際にアプリを作っている時に直面した難所を「こうやって切りぬけた」という実例を載せたエンジニアブログ、中図:iTunes Connect内の仕様が変わった際に、いち早く便利になったことをアピールしたプロデューサーズブログ、右図:iOS 7に対応する際に、気を付けたい画像のサイズ準備をまとめたデザイナーズブログ。

 記事をTwitter/Facebookで拡散すると、1日1万PVになる記事もあれば、「いいね!」を100獲得する記事もあります。

6.アプリ業界主催の勉強会で発表:アプリノウハウの共有と業界認知の向上

 アプリ開発業界では、技術情報やマーケティングノウハウを共有する勉強会が多くあります。勉強会で講師として自社アプリを業界内にいち早く告知し、同業者からの意見を頂くことは、今後の開発にも参考になる場合が多いです。

 エキサイトでは、四半期に1度くらいのペースで、発表者として参加し、大々的に言えない情報、アプリのヒットした経緯、Growthした施策を参加者へシェアし、アプリと企業を業界内に売り込むようにしています。

※実際に発表した資料:http://slides.com/osamuikemura/

広報活動の効果測定

 今回紹介した広報活動の効果を厳密に測定したい場合は、直接ストアURLを記載せず、ランディングページに一度訪問させ、そこからの新規ダウンロード、継続率、課金率等を分析します。ただし、エキサイトでは、過去の経験からランディングページを挟むことによる機会損失と、広報活動の効果分析に労力をかけるのは得策ではないと考え、直接ストアに誘導しています。

 次回は、お金をかけてプロモーションする際の基礎用語と広告の種類を紹介します。

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