黒くて赤いボッちがあればThinkPad? ちょっと違う
以上ThinkPad 10の技術的な特徴に関して見てきた。最後にこれらのコンセプトを表現するデザインについて加藤敬幸部長は以下のように述べている。
「ThinkPadのインダストリアルデザイン(ID)というと、多くの人が黒くて赤いぽっちがあって弁当箱のように四角いなどという回答をくれるかもしれないが、これはちょっと違う。ThinkPadはシンプルで、無駄のない外観をスタートにしている。使い易さはIDの一部である。ThinkPad 10で言えば、ひとつはサイド。垂直ではなく、意図的に9度とごくわずかな傾斜をつけている。こうすることで机に置いたときに少しだけ持ちやすくなり、外観も薄く見える。コネクタの場所に関してもこだわっている。パワーのコネクターは右下。使う頻度においてコネクターがどこにあるか。研究に基づいた配置だ」
ThinkPad 10は単に薄く軽い10型のタブレットではない、アクセサリーを含めた統合的なデザインとThinkPadシリーズに通暁するビジネスPCとしての方法論を盛り込んだ製品だ。
そんな例のひとつが「Dシェイプ」と呼ばれる、本体の上部が丸みを帯び、下部が平らなデザインだ。こうすることで本体の向きがわかり、どちらをキーボードにさせばいいかが一目瞭然だし、接続部分が一体化してすっきりとした雰囲気にもなる。
さりげないこだわりだが、ThinkPad 10の価値を大和の開発者がどう考えているかを象徴しているものにも感じる。ThinkPad 10に興味を持ったなら、こうした細かなこだわりについてもぜひ知っておきたい。