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薄くて軽くて、細かくこだわったこの夏注目タブレット

黒くて赤いぽっちがあるだけじゃダメ──ThinkPad 10技術説明会

2014年08月06日 21時33分更新

文● ASCII.jp編集部

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最新Atomを採用しつつ、64bit OSにも対応

 仕事をこなせるパフォーマンスと使い易さという点では、パフォーマンスの向上が挙げられる。CPUはAtom Z3795(1.59GHz、最大2.4GHz)。ThinkPad Tablet 2との比較で、システムパフォーマンスが2倍、グラフィックスが4.5倍、Wi-Fi通信速度が2倍、ストレージパフォーマンスが3倍という結果が出ている。

最新BayTrailを採用することで、AtomでもCore iシリーズにそん色ない体感速度を得られる。

 さらにCore i5-4200M(2.5GHz)を搭載した「ThinkPad T440p」との比較でもビジネス系アプリ中心の作業(PCMark7)の結果では上回る(2646に対して2758)。もっともこれは本体内蔵のストレージがeMMCであるため、HDDのThinkPad T440pより有利という点があるが、高容量を必要としないのであれば、十分仕事でも実用的な性能を持つ製品と言える。

CPUとメモリー、eMMC接続のストレージ

 解像度はThinkPad Tablet 2のHD(1366×768ドット)に比較して、WUXGA(1920×1200ドット)となり、2.2倍。高解像度化すれば消費電力も上がるが、LCDサプライヤーと高効率のパネルを共同開発し、10時間を越えるバッテリー時間に貢献している。ガラスに樹脂層を挟まず直接液晶を貼り付けるダイレクトボンディングも継続。屋外での反射を低減し、視差も少ないためペンやタッチが使いやすい。

バッテリーは内部の大半の面積を占める。3.7V/8.72Ahと高容量。

 ペンへのこだわりもThinkPad Tablet 2の特徴だった。本体が8.5mmに薄型化したため、本体側のペン収納機能はなくしたが、代わりにアクセサリー側に収納スペースを持たせている。太さは8mmで消しゴム機能もつけることでより使いやすくした。エンジニアがこだわったポイントとしては、デジタイザーの精度がある。直線性・追従性を徹底的にチューニングした。特に画面の端は精度が落ちるので重点的に調整している。ケース固定用のマグネットもデジタイザーの精度に影響を与えるが、ここも場所や強さに合わせたチューニングで乗り切ったという。

拡張用端子は2種類「Dock」と「Pogo Pin」

 本体底部にある拡張用端子は、30ピンのDocking Port(USB 3.0ベースで高速、電源も通せるが、位置あわせが必要で着脱が若干しにくい)と、5ピンのPogoPin(簡単に着脱できるが、USB 2.0しか通せない)という2種類を設けている。

 ちなみに本体に搭載されているUSBポートはフルサイズのUSB 2.0ポートが1つだけ。これはBayTrailの制約でUSB 3.0はひとつしか出せないためだという。ThinkPad 10ではこの端子をドッキングステーション接続用のDocking Portのために利用している。

快適なペン入力や充電速度の改善など細かな改善も

 一方キーボードケースに関しては、Pogo PinインターフェースでUSB 2.0接続する。従来はBluetooth接続だったが、企業で大量導入する際にはペアリング作業に手間がかかるため、USBとした。また今回からACアダプターはMicro-USBではなく、専用コネクターになった。これは充電時間を短縮するためだ。USBは10Wまでという制約があり、5%→80%の充電に3時間かかっていたが、ThinkPad 10では36Wのアダプターを使用し、100分で80%充電できるようにした。裏表がわかりにくく差しにくいという点も初心者が含まれる企業ユーザーにとってメリットになるという。

ACアダプターは比較的コンパクト。写真は自動車のシガーソケットに接続するタイプのもの。

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