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山谷剛史の「アジアIT小話」 ― 第65回

中国ボーカロイドの推進企業に中国ボカロの未来を聞いた!

2014年01月30日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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上海禾念の任力総経理(CEO)。2013年の言和発表会にて
上海禾念の任力総経理(CEO)。2013年の言和発表会にて

 前回紹介した、奥さんが旦那さんを日本語で「お兄ちゃん」呼びする親日の中国の新婚カップルしかり(関連記事)、中国のコミケコミュニティの中でカルト的人気となっている日本人しかり(関連記事)、サブカルがきっかけで親日となる人々の間では「ニコニコ動画」似の「bilibili動画」が交流の場のひとつとなっている。

 そして、ニコニコ動画で「ボーカロイド」が人気であるように、bilibili動画もまたボーカロイドが人気である。特に「初音ミク」に関するコンテンツは多く、またサブカルから入った中国人の日本ファンの中では「千本桜」をはじめ、さまざまなボカロ曲が、ホームカラオケパーティーでよく歌われる。

「洛天依」「洛天依」の音源は中国では有名
言和の人気曲である「茉莉花開」
言和の人気曲である「茉莉花開」

 中国でボーカロイドといえば初音ミクなど日本勢だけではなく、中国向けの音源も誕生している。もっとも著名なのは「洛天依」(LUO TIANYI)や「言和」(Yanhe)だろう。

 ほかにも歌声合成ソフトウェア「UTAU」により日本語チックな名称の「浅色ラン」(浅色藍)「十月緒子」「弥斗ナオタ/弥斗ナオミ」(弥斗直太/直美)「三色あやか」(三色彩歌)「試作音デモ」(しさくねデモ、中国語で席黛墨)など(ほかにも多数)が誕生している。

 中国自主開発をうたい、中国政府各部署が太鼓判を押し、バーチャルアイドルとしてデビューしたものの、サブカルファンに「初音ミクに似ているし、なによりクオリティーが低い」と酷評されたものの、その後に再度ユーザーの間で生まれ変わった「東方梔子」という黒歴史を背負ったボーカロイドもある。詳細については、ウェブを検索すれば日本語でも解説があるし、動画検索すれば出てくるので、そちらを見てほしい。

 日本のボーカロイド界隈をよく見ている中国のボカロファンの一部からは、日本のオリジナルをリスペクトしつつ、いい意味でカルチャーを模倣しているわけだ。

 UTAUで新音源が誕生するかたわらで、本家ボーカロイドの「洛天依」と「言和」が誕生した。そこでファンの期待を集める上海禾念信息科技有限公司の総経理(いわゆるCEO)である任力氏に話を聞いてみた。

若い世代のクリエイターが活躍する
中国産ボーカロイド

 ――いきなり率直な質問ですが、中国産のボーカロイドの人気はどうですか?

 任力氏「ボーカロイド 中国語版の購入者数は、ライブラリーの販売数をみますと、洛天依は2000ほど、言和は1000ほどです。中国版ニコニコ動画のような動画共有サイト“Bilibili.tv”でのデータは日々変動しておりますので、洛天依、言和のそれぞれのキーワードでお調べしていただければ幸いです」

 「たとえば百度の動画検索から洛天依のPVを調べるだけでも、数千~数万のビューはありますね。しかし、ボーカロイド全般でいうと、まだまだ多くのコンテンツは日本でヒットしたものがアップされて見られるのが多いようです」

 「クリエイターでいえば、高校生、大学生や若い社会人が多く、特に大学生は時間があるので作り手が多いですね。ただ、一般的に言う“動漫、ACG”(中国で呼ばれるアニメ・コミック・ゲームのジャンルの総称)では、実際もっと若い世代が見ているので、ジェネレーションギャップはあります」

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