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山谷剛史の「アジアIT小話」 第198回

世界トップのIoT機器ラインアップを抱えるシャオミ でも来年にはEVに追いやられてしまうかも!?

2023年10月27日 12時00分更新

文● 山谷剛史 編集● ASCII

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世界トップのIoT機器ラインアップを抱えるシャオミ でも来年にはEVに追いやられてしまうかも!?

シャオミの店舗「小米之家」。スマートフォンを始め、さまざまなIoT製品が揃っている

 シャオミは9月末の発表会で、日本市場向けにチューナーレステレビやロボット掃除機といったIoT製品を発表した(「最新スマホにタブレットやテレビ、掃除機までシャオミの新デバイスを写真で解説」)。

 シャオミといえば本国の中国ではスマートフォンだけでなく米家(mi jia)ブランドで、ルーター、電源タップ、カミソリ、歯ブラシ、カメラといった小物から、洗濯機、乾燥機、テレビ、冷蔵庫といった大型アイテム、さらには犬型4足歩行ロボットに至るまで、多種多様な製品を販売している。中国に行くときにはリアルショップ「小米之家」に行って実物を見てようという読者もいるだろう。

 これらの製品は、圧倒的なコストパフォーマンスで評価されており、中国のスマートテレビ市場で伝統的なテレビメーカーを抜いてトップになったほか、インドでもやはりスマートテレビでトップに立った。日本への展開はまだだが、エアコンや洗濯機も売っていてこれが驚くほど安い。そんなシャオミの中国におけるIoT機器販売の現状について今回書いていくが、結論から言えば、中国のショップ「小米之家」に行って、実際見て触るのは急いだ方がいい。

世界トップのIoT機器ラインアップを抱えるシャオミ でも来年にはEVに追いやられてしまうかも!?

家電はだいたいシャオミの製品で揃えられそうな勢いだ

■日本でもようやくIoT製品のリリースを本格化したシャオミ
■同社ではスマートフォンとともに事業の柱の1つになっている

 シャオミのIoT事業は好調だ。シャオミの決算書を見ると、「スマートフォン」「IoTとコンシューマー向け製品」「インターネットサービス」「その他」の4つの主要セグメントに分かれていて、IoTとコンシューマー向け製品はスマートフォンに並ぶ重要な柱になっている。実際、2023年上半期は売上高で前年同期の28.3%から33%に増加と調子がよさそうに見える。

 ただこれはあくまで割合であって、2023年第2四半期の同社のスマートフォン出荷台数は、前年同期比15.8%減の3290万台と大幅に減少しているので、相対的にIoT製品は落ち込んでいないだけとも言える。もっとも同社だけでなく、中国ではスマートフォンの台数が約2年間ずっと減少しているし、世界的にも同様だ。

 中国の消費者から見れば、もう今のスペックで十分で、かつ壊れにくくなったし、新製品が出てもスペックや体感でそう変わらないから、もう買い替える必要はないという声が中国のネットでよく見る分析だ。ただ折りたたみスマホは各社から出ていて、触ってみると買いたくなるギミックだというのが確認できたし、質感もとてもいい。スマートフォンはもう買い替えないという論調は、“触らず嫌い”を生んでいるようで、どうにももったいない気もする。

■新興メーカーにシャオミブランドでどんどん製品を作らせていた
■しかし、その流れは今後も続くだろうか?

 さて同社のIoT製品の拡充は2016年にさかのぼる。新興家電メーカーは「自社ブランドよりも売れる」という理由で「米家」と呼ばれるシャオミブランド向けにOEM生産をして、シャオミのオフィシャルサイトなどのECサイトや、人気商品はシャオミのリアル店舗「小米之家」で販売してもらっていた。

 シャオミのブランドが用いられる代わりにギリギリの低価格に設定。それでもメーカーは生き残りをかけてシャオミ向けに量産し、結果消費者から見れば、どれも安くてラインアップは豊富、シャオミのIoTアプリ「米家APP」1つで様々な機器を操作できることから、中国IoT市場でアリババやファーウェイなどを退けトップブランドになった。

 ただそのようなメーカーが、今後も新しいIoT製品をシャオミ向けに開発・製造してくれるかというとこれが疑わしい。今、中国でスマホをはじめガジェットが売れにくくなっている中、海外のクラウドファンディングサービスを利用するなどして製品をリリースし、資金調達を受けてさらなる成長を目指すというシナリオがメジャーな成功モデルとなっている。中国発の面白い製品がクラウドファンディングサービスで続々と販売されているのはその流れだ。

 ところで先日筆者は中国の地方都市でスマートフォンの販売状況を確認した。久しぶりにショッピングモール内の店舗などをはじめ、いくつもの店舗を見てみたが、前述の統計通りのお寒い状況だった。

 シャオミ、OPPO、vivo、ファーウェイ、HONORの各ショップや、各メーカーの商品を扱うスマホショップでは、販売台数の減少に比例するように以前よりも活気がなくなっていた。Appleストアだけは例外で、iPhone 15シリーズが発売されて、すぐのタイミングだったからか非常に活気に満ちていた。

 それでもデジタル製品だけでなくあらゆる製品に言えるが、ネットに加えて、中国の無数の都市で店舗展開をすると、日本と比べてケタ違いの販売数となる。小米之家もまた近年中国全土で店舗を増やし、それぞれの店舗でスマートフォンだけでなくパソコンやスマートテレビやIoT製品や小物を販売している。リアル店舗に人が一見それほど入ってなくても、塵が積もれば山となるで売上高につながる。

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