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プロライターがソニーRX10に見るデジタルの可能性

2013年12月01日 12時00分更新

文● 四本淑三

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しびれるシャッター音の低さ

 さて、スタジオです。使い始めて「そのカメラ、カシャっとかパチっとか音出ないの?」と言われて気付いたのですが、シャッター音が低い。もう「カタッ」という僅かな音しかしない。フォーカルプレーンシャッターの「バサッ!」という走行音もなければ、「ガツン!」というミラーショックも無い。見た目は一眼レフなので、これは撮られる方も意外でしょう。

※ このページの画像はすべて RX10 の設定 "画質:FINE/画像サイズ:20M/縦横比: 3:2" で撮影されたものです。

まず広角端、開放でワンカット。バンドリーダーのPEVO1号です。1/50 ISO125

バチバチソニックを作詞・作曲面でも支えるベースの伊藤さん。広角端でF8まで絞って下から煽ってみました。1/30 ISO500

同じく広角端F8で、アルミボディーとミラーピックガードのギターTalboを。シャープですね。1/30 ISO160

広角端開放でボーカルのY子さんに下から迫ってみました。 1/40 ISO125

 

 そこで「ハッ!」と気付いたのが、RX10はステージ撮影に向いているのではないかという事です。ステージ撮影に音の大きなカメラは嫌われますが、これなら大丈夫でしょう。大口径ズームレンズと低照度に強い処理系の性能を合わせれば、これはもう鬼に金棒のような。早く試してみたいものです。

低照度の条件でどれくらい撮れるか、照明を落としてLEDライトを床に転がして試してみました。換算25mmで絞り開放、 1/30 ISO2000

今度はライト手持ちで。換算29mmで絞り開放、1/30 ISO640

 ただし、アウトフォーカス部のコントロール、いわゆる「ボケ」に関しては、1インチセンサーということもあって、そこから期待できる以上のものはありませんでした。これは物理的にやむを得ません。

 フォーカスモードについては、私はマニュアル操作を併用する「DMF」で使っています。シャッター半押しにしながらフォーカスリングを回せば、電子ビューファインダーで合焦した箇所が自動的に拡大するという仕組み。このシャッター半押しを続けながらフォーカスリングを回すという不自然な動作にさえ慣れれば、ピント合わせは快適です。電子ビューファインダーの画素数も「α7」に比べると少ないですが、ピントを合わせる道具としては、十分に用が足りていると思いました。

さらに換算70mmの中望遠域開放でY子さんに迫ります。1/80 ISO160

望遠端開放で再度下からY子さんに迫ってみます。これくらいの感度なら常用して差し支えないようです。1/250 ISO800

 カメラとは関係のない話ですが、今回借りたスタジオには巨大ディフューザー付きで蛍光灯光源の「RIFA-F 90×160 MAX」が2セット置かれていました。最近のスタジオ事情に疎いので「こんなんで大丈夫か? 特に光量とか色温度とか」と不安だったわけですが、高感度域が常用でき、ホワイトバランスが調整できるデジタルカメラの撮影には、ぜんぜん不都合がない。むしろ静物・人物撮影ならストロボより使いやすい。スタジオ撮影がこんなに楽なんて、いい時代になったものです。

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