さらにアニメの画質を追い込んでみる!
スムージングでカラーバンディングはほとんど収まった。しかし、目の錯覚という気もするが、まだ多少しましまが残っているような気がする。
さらに徹底するなら「フィルムグレイン」を使ってみよう。これはフィルムグレイン(フィルム特有の粒子感)を目立たなくするための機能で、基本的にはマイナス方向で使いフィルムグレインのざらつきをなくして見やすくするものだ。
しかし、以前ソニーに取材したときに聞いたのだが、意外にプラス方向で使っても効果があるという。それはこうしたカラーバンディングを目立たなくしたり、映像自体の質感を自然にするというもの。
実際、アニメ制作でも映像の質感や雰囲気作りのため意図的にノイズを付加した効果を使っている作品は数多い。デジタル制作が主流になり、あまりにもキレイになりすぎて、逆に違和感が生じることが少なくなかったからだ。
ということで、フィルムグレインで粒子状のノイズを付加してみた。最大値にしてしまうとザラザラのひどい映像になってしまうが、粒子感が見えるか見えないかくらいのところ(テストでは+2がベストだった)にすると、かすかに残っていたしましまがさらに目立たなくなり、実にスムーズなグラデーションになった。
これはデジタル制作のアニメに慣れている人かそうでないかで好みは分かれるが、微妙な粒子感がアナログ制作時代の感触を感じさせ、人工的な感じがやわらいだ気もする。
さらに、アニメ特有の太い描線の周囲に目立つノイズ感は「アニメCGリマスター」を使うことで解消できる。
ソニーのBDレコでは、これらの画質調整を行なうことでアニメに最適な画質調整ができるというメリットもあるのだ。
知識と技でフルHDテレビの画質はもっと引き出せる!!
最新鋭の薄型テレビとBDレコの組み合わせは、実際のポテンシャルがかなり高いことがよくわかった。
BDレコ側での調整を忠実に反映するモニター的なモードを備えた東芝のREGZA Z8は、単体でのポテンシャルもかなり高いが、豊富な画質調整機能を備えるソニーのBDレコを組み合わせるとさらに優れた画質が得られることもわかった。
この組み合わせは、リーズナブルな価格でよりよい画質で楽しみたいという人にはなかなかよいコンビだと思う。特にアニメファンならば、カラーバンディング解消ができるのは強い味方になるだろう。
4Kテレビは4倍の解像度という高い実力を持っており、そのままでもかなり美しい映像を楽しめる。大画面をかぶりつきの近接視聴で楽しむ臨場感も4Kならではのものだ。
しかし、フルHDテレビとBDレコーダーも、手間を惜しまず調整を追い込むことでかなり迫るレベルの映像を手に入れられる。要はお金をかけるか、丹精して画質を追い込むかの違いだ。
これだけの実力を持ったフルHDテレビとBDレコーダーなら、これからの4K時代だって何の見劣りもなく使っていけるに違いない。
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