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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第126回

volcaシリーズ企画開発者インタビュー第3弾

売上に影響しない――楽器に無駄なコストをかける理由とは

2013年07月06日 12時00分更新

文● 四本淑三

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今回で3回目のvolcaシリーズインタビュー。引き続き高橋さんと坂巻さんに話を伺う

 volca beats、volca bassときて、シリーズ最後の一台が「volca keys」。発売予定は7月中旬で、まだデリバリーは始まっていないものの、これもbeats、bass同様大人気で、予約が集まっているようだ。

 3VCO、1VCF、1VCA、1LFO、1EGというスペックはvolca bassと同じ。ただ、同時発音数3音のポリフォニックという設定で、27keyのマルチタッチキーボードで和音が弾けるというのが、bassとの大きな違い。シーケンサー部はリアルタイム入力に特化していて、ステップごとのエディットはできない。が、全体的に演奏性を重視した設計で、ソロプレイにも向いている。

 安価なアナログシンセ入門機として買っても満足できるはずだが、ソフトウェアシンセではなかなか難しい。強烈なリングモジュレーションで金属音が簡単に出せるのは魅力的。3VCOをユニゾンで鳴らした際の音の太さ、うねりの広がり感はやはり素晴らしい。ほかの2台同様、DAW用のライブ音源として使えば、音色やアレンジのバリエーションを広げてくれるのは間違いない。

 では、前回前々回に続いて、開発チームのお話を。

bassとの違いはボイシング機能

―― で、最後のkeysの話です。これが一番最後の開発になったそうですけど。

坂巻 まずmonotribeをそれぞれ特化させようというところから、beatsとbassができて、音色のバリエーションは増えた。けれども、作れる音楽自体はmonotribeとあんまり変わらない。アシッドと呼ばれているカテゴリーのものになってしまいがちなので、そこにもう一音コードが入るだけで、もっといろんな音楽ができるんじゃないかと。それで作った、という感じだよね?

高橋 ええ、そうですね。

―― シンセの構成としては3VCOということで、bassと同じとも言えるんですが、bassとはどう違うんですか?

坂巻 bassは3オシレーター、keysは3音ポリのシンセなんですよね、やっぱり。

高橋 まずコードが弾けるんですけど、違いはボイシング機能があることですね。オシレーターをユニゾンで鳴らしてデチューンをかけたり、ポリフォニックでリングモジュレーションをかけたり。

volca keysを特徴付けるボイシングを切り替えるつまみ

―― ボイシングには6つポジションがありますね。3つのオシレーターを3音ポリで鳴らす「Poly」、3音を同じピッチで鳴らす「Unison」、オクターブ上下にばらして鳴らす「Octave」、5度上の音を一緒に鳴らす「Fifth」、ユニゾンでリングモジュレーションをかける「Unison Ring」、3音ポリでリングモジュレーションをかける「Poly Ring」と。最後のPoly Ringは何でモジュレーションをかけているんですか?

高橋 モジュレーションソースという概念はないんです。

坂巻 ただ出音を掛け算しているだけですね。

―― 和音として鳴っている構成音同士の掛け算ということでいいんですか?

高橋 そうです。だからオクターブや5度で鳴らすとあまり変わらないですが、それ以外のインターバルだとかなり壊れた音がします。それがPoly Ring。それからUnison Ringは単音ですけど、デチューンをかけてピッチの差を作ってやるに従って、モジュレーションがかかっていくんですね。

坂巻 音程が近ければあんまり変わらないですけど、デチューンで離していくとより金属的な音になります。

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