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クラウドビジネスやグローバル進出、ビッグデータまで聞いた

クラウドを始めて1年!サイボウズ青野社長が考えたこと

2013年01月30日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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cybozu.comをひっさげ、サイボウズがクラウド事業に本格参入して、すでに1年が経つ。同社がこの1年で体感してきた「クラウド的な市場観」とはなにか? そして同社が突き進むグローバルへの夢は? 青野慶久社長に聞いてきた。

はっきりいってクラウドの方が優れている

 cybozu.comは、「サイボウズOffice」と「Garoon」という2つのグループウェアのほか、「ファストシステム」を標榜するPaaS「kintone(キントーン)」、共有型のメールソフトである「メールワイズ」などを展開するクラウドサービス。2011年11月からの開始から約半年で導入は1000社を突破し、パッケージソフト主体だった同社のビジネスを大きく変革しつつある。

 クラウドか? オンプレミスか? 多くの企業を悩ますこの質問について、青野社長は「はっきりいってクラウドの方が優れています」と断言する。コスト面でのインパクトしかり、バージョンアップのスピードしかり、運用管理の容易さしかり。「クラウドはよくセキュリティが課題と言われています。でも、弊社のシステムを移行させてみると、どう考えてもクラウドのほうが安全なことがわかりました。データセンターは物理的な侵入も難しいですし、二要素認証も手堅い方法です」と語る。

サイボウズ代表取締役社長 青野 慶久氏

 一方で、「一口にクラウドといっても玉石混淆」と述べ、自社でインフラレベルから構築することにこだわった(関連記事:「AWSでいいじゃん」に負けなかった!cybozu.comの本気度)。「クラウドに本腰を入れることは3年前に発表しましたが、実際は2005年、私が社長に就任する際から考えていたことです。Amazonを使わないクラウドを構築するために、技術開発にも相当な投資を行なってきました。人材も育成してきたし、人事制度自体も変えました」とのことで、インフラはもちろん、課金システムまで自社で作った。この結果、ユーザーやディスクの追加もスピーディに行なえるし、検索も一瞬でできると胸を張る。

クラウドであれば、部門アプリが不良資産化しない

 では、いったいどんなユーザーが使っているのか? 青野氏は、Garoonのクラウド版を4500名規模で導入したほけんの窓口グループの事例を挙げ、「『来店型保険ショップ』という新しい保険流通チャネルを切り開いたほけんの窓口グループ様では、毎月100名くらい従業員が増えるそうです。にも関わらず情報システム部の人数は多くないですし、コンプライアンスの観点で残業もできません。運用管理は大変ですが、扱っている情報は機密性が高いんです。こうなると、もはやクラウドしか選択肢はありません」と説明する。

 ユーザーとなる部門も、情報システム部だけではなく、営業や事業部門が直接導入する例も多い。インフラの運用管理を必要とせず、月額料金で利用できるクラウドならではの現象といえるだろう。一方で、ITの利用を巡って、情報システム部と事業部門が対立するという構造から外れた新しいクラウドの利活用も見られるようになった。「今までは部門内で作ったExcelシートなどが不良資産化し、情報システム部が渋々引き取っていたという流れがありました。しかし、kintoneでデータベースを作れば、データはクラウドにあるので引き継ぎも簡単です。そのため、『部門導入から全社展開へ』という新しい流れも生まれつつあります」という。

(次ページ、クラウドの隆盛でIT市場はシュリンクするのか?)


 

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