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ほぼ実録?広告部はkintoneで生まれ変わった!第3回

kintoneの価値と使い勝手はユーザーを動かすか?

抵抗勢力アリ?現場へのkintone導入は簡単じゃなかった!

2013年10月16日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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都内の中堅出版社AMWの法人向け広告の売り上げを上げるべく結成されたB2Bチーム。なかなか成果の出ない現状に焦ったB2Bチームのイシダは、IT系のWeb媒体を手がけるTECH.AMW.JPのオオタニに相談。課題を洗い出したイシダとオオタニは、目標の共有とコミュニケーションの促進がなにより重要だと考え、サイボウズのアプリケーション「kintone」を試すことにする。

登場人物

 

オオタニ TECH.AMW.jpの編集長。編集部の売り上げに直結するB2Bチームの営業効率を上げるため、イシダにサイボウズ「kintone」の導入を提案する。座右の銘は「なせばなる。なさねばならぬ何事も」。歴史小説が好き。








 

イシダ 第1広告営業部主任。部長モウリの命を受け、法人向け広告売り上げアップを目指すB2Bチームの数字を上げるべく、日夜奮闘する。座右の銘は「禍福はあざなえる縄のごとし」。ビジネス書が好き。








 

あーみん ある時はアルバイト、ある時は営業マン。オオタニが困ったときにいつの間にか現れ、ヒントをくれる女子。実はkintoneの中の人。なぜかカラーで、見た目の厳しいモノクロビジュアルばかりの現場を潤してくれる。ドーナツが好き。


edge

既存のExcelファイルをインポートすることでとりいそぎ顧客DBを作成したオオタニ。さっそくイシダをはじめとするB2Bチームのメンバーに試用を提案することにした。果たしてExcelを使い慣れたメンバーにメリットを伝えることができるか?

*本記事の内容はあくまでフィクションで、登場人物や会社名などは実際のものではありません。本当です。

B2Bのメンバーを追加して顧客DBを共有

 前回、サイボウズのクラウドサービス「cybozu.com」にアカウントを作成し、kintoneを使って顧客DBを作成したオオタニ。Excelで作られた顧客リストをインポートするだけで、データベースが簡単にできた。会社名や先方の担当者、連絡先、広告部の担当者などがずらりと並んでいるExcelファイルをインポートしただけなので、確かにデータベースとしては非常にシンプルだ。しかし、メールやグループウェアにファイルを添付して配布するのではなく、1つのマスターデータベースを複数人で編集できるというのは、きわめて大きいメリットを持つ。

Excelからのインポートでできあがった顧客リスト

 B2Bチームは現状、訪問回数や提案自体が少ないという状態なので、この顧客DBを元に営業件数自体を増やしていくことが肝心。そこで、B2Bチームで共有するために、オオタニはkintoneのユーザーを追加することにした。

 これはkintoneの設定ではなく、管理者向けの「cybozu.com共通管理」から行なう。左側のメニューにある「組織/ユーザー」をクリックし、組織やユーザーを追加すればよい。とりあえずは試用段階なので、ログイン名、パスワード、姓名、よみがな、メールアドレスなどを登録して保存すればOK。ユーザーごとに役職やグループなどを設定したり、ファイルから一括読み込み・書き出しなどができるので、本格的に利用することになったら、ファイルで管理した方がよいだろう。

cybozu.comの共通管理でユーザーを追加する

 あとはユーザーにkintoneのURLとログイン名、パスワードなどを通知すれば顧客DBをB2Bチームで共有できる。PCに1台ずつアプリケーションをインストールする手間を考えると、やはりクラウドは圧倒的に導入が容易だ。

意見殺到!みんな課題には思っていた

 さっそくオオタニはイシダにkintoneでできることや顧客DBなどについて説明。課題を解決する一歩として、さっそくkintoneをB2Bチームで試すことにした。次のステップは、B2Bチームとミーティングを持ち、顧客DBのメリットやkintoneについて理解を深めてもらうことだ。

B2B会議でkintoneについて説明するぜ。ガッチリな

イシダ:今日、B2Bチームに集まってもらったのは、ほかでもない。B2Bチーム躍進のため、情報共有の仕組みを作ろうということで、TECH.AMW.jpのオオタニさんに手伝ってもらうことになりました。現在、B2Bチームはそもそも営業先がわからない、ITって難しいので営業トークのネタに乏しい、案件の進捗が見えない、数値目標が見えないという4つの課題がある。こうした課題を解決するために、kintoneというアプリを使っていこうと思う。オオタニさん、よろしく。

オオタニ:はい。イシダさんと話し合いを持った結果、今回はkintoneというアプリで情報共有を図るのはどうかと思い、さっそく顧客DBのプロトタイプを作りました。論より証拠で見てみましょう。昨日、B2Bチームの方にはURLとログイン名、パスワードをメールしましたので、同じモノが見られます。

イシダ:今後は、B2Bチームはこれで営業活動や目標数値の設定、個人の成績の判断をやるからしっかり見ておいてください。とにかく、すぐにやります。1ヶ月後には、サービス料金を支払ってきちんと動かすことになるので、あとから文句は言わないでくださいよ。

顧客DBに関してコメントを付けられる

 オオタニは会議室のプロジェクターでkintoneの顧客DBを共有し、しばしデモを行なった。ログインののち、B2Bチームの「スペース」に入り、作ったばかりの顧客DBを披露。クライアントや広告部担当でソートや検索できることを説明した。とはいえ、kintoneの真髄は、ExcelをWebブラウザ上で再現できることではない。オオタニは、データベース上でコミュニケーションできること、自分でアプリを作れること、モバイルでも利用できることなどをメリットとして挙げた。

 当初、怪訝そうな顔でオオタニの話を聞いていたB2Bのメンバーだが、イシダが目標数値の設定や個人の成績判断にまで言及したことで、危機意識や課題解決への熱意が伝わったようだ。デモのあとにイシダが発言を促したところ、几帳面なウキタ、流行好きなコニシ、腹に一物を抱えるコバヤカワ、交渉上手な関西人アンコクジなどのB2Bメンバーが次々と発言し始めた。

オオタニ:このようにkintoneでは、Excelで作ったファイルをアップロードし、簡単に顧客DBができます。オオタニも営業先として適切な相手の名刺を持っていますので、これをなるべく共有していきたいと思います。現状はまだまだシンプルですが、ここから必要な項目を足したり、カスタマイズしていくので、ご意見をよろしくおねがいします。

ウキタ:こういうデータベースって、あれば便利なのわかるんですけど、入力が面倒じゃないですか。同じ会社の情報を何度も入力して、結局引っ越してまた全部入れ直しとか。実際、ありましたからね。

オオタニ:確かにそうですね。でもいったん顧客DBを作ってしまえば、ほかのDBからも利用できるはずです。調べておきます。

コニシ:私もExcelファイルを毎回メールで回覧するのは非効率だなあと思っていたので、これはいいですねえ。「導入するなら今でしょ!」って感じですか。がははは。でも、項目を一部変えたほうがいいと思います。たとえば同じ会社なんだけど、個人向け製品と法人向け製品で窓口が違うとかあるので。変えるのに手間かかりますか? まあ変えたら、「コストも倍返しだぜ」だと困るんですけど。がははは。

オオタニ:……。kintoneはドラッグ&ドロップでフィールドを変えられるはずなので、手間はそれほどかからないですよ。これも営業の希望を聞いて、作り直してみましょう。

コバヤカワ:まあ、これってシステムは社内にないんですよねえ。顧客情報入れるのに、外部にあるっていうのは大丈夫なんでしょうか?

B2Bチームの会議でkintone導入を検討中

オオタニ:鋭いですね! cybozu.comはセキュリティもがっちりなはずです。確かに懸念する点ではあるので、こちらも調べてみます。

アンコクジ:オオタニさん、今のは普通の顧客のリストやねんけど、案件管理とかもできまへんか? 営業行って、提案したり、お客さんの悩みゆうの聞いて来るやないですか。せやけど、目の前の仕事を片付けてると、けっこう次のアクション忘れてしまいますねん。自分の抱えている案件の現状や進捗度が見られたら、ええなあ思うんですけど。

イシダ:なるほど。確かに案件の進捗や数値目標が見えないという課題もあるから、案件管理はぜひ試してみたい。一応、毎回日報としてメーリングリストで飛んでくるんだけど、すごい数のメールに埋もれちゃうし、添付ファイルを開いてチェックするの正直面倒なんだよね。気がついたときに、グラフとかで、現状をサラッと見られるのがないかなあ。

コバヤカワ:まあ、それだったらイチから作るより、パッケージの営業支援ツールを導入しちゃった方が早いんじゃないですか? まあ、高そうですけどね。ちなみにkintoneって、いくらなんですか?

オオタニ:1ユーザー月額880円です。これでアプリケーション数は無制限ですし、HDDの容量も1GBが無料です。契約期間も最低1ヶ月なので、極端な話、次の月には辞められます。

 結局、ミーティングではExcelで顧客データを更新しあうのは非効率だという話で一致し、まずは顧客DBを編集部と広告部で共同運用することにした。どのみち集積したデータはExcelやCSVのファイルで書き出せるので、kintoneの利用が終了しても無駄にはならない。ウキタやコニシの意見を踏まえ、製品カテゴリや担当者でソートできるようフィールドを整備し、Excelファイルを再度アップ。広告・PR担当者の名刺を入手したら、DBに登録するルールにした。

抵抗勢力を巻き込むにはなにが必要?

 ミーティングを経たのち、オオタニは抵抗勢力の存在を意識した。特にIT商材の販社から来た経歴を持つコバヤカワは、クラウド自体に懐疑的で、サイボウズのような新興の企業(とはいえ、すでに10年選手だが)にもよい印象を持っていないようだ。新しい仕組みを入れる際には、必ず抵抗勢力が出てくるものだ。

抵抗勢力を巻き込んで、円滑に導入しなければ!

 そして、オオタニが懸念していたもう1つの抵抗勢力は、ほかでもない情報システム部だ。kintoneのようなクラウドを利用する場合、情報システム部の手を借りずとも、アプリケーションを月額課金で利用できる。しかも料金も1ユーザー880円/月なので、10人で使っても1ヶ月で1万円かからないことになる。ある意味、会社の払っているスマホの料金とそれほど変わらない金額で業務アプリケーションを利用できることになるわけだ。しかし、こうしたクラウドの利用を情報システムが果たして看過するだろうか? モバイルデバイスのBYOD化とあわせ、企業によっては情報セキュリティの問題を引き起こす「シャドーIT」として忌み嫌われる。グレーゾーンのこの部分をいかに解決していくか。イシダの政治力に期待するしかないだろう。

 とはいえ、話を進めていくと、各メンバーが今のままではまずいという問題意識を持っているのがわかった。イシダをはじめとするB2Bチームのわがままに付き合い、成果が出れば、おのずとB2B分野での広告売り上げは向上する。なんだかんだいって、Web媒体でマネタイズを実現するには広告収入が一番大きい。広告営業に気持ちよく働いてもらうため、成功体験を勝ち取ってもらうため、このkintoneプロジェクトがけっこう重要だということをオオタニはかみしめていた。

 そこでオオタニは顧客DBの整備と共に、これと連携する案件管理を作ってみることにした。案件管理は顧客DB以上に営業成績に直結する。B2Bチームのメンバーが営業情報を共有し、イシダがそれに対して適切なアドバイスを与えることで、売り上げにつながる。よいループが生れるはずだ。

 一方で、オオタニの手に負えない部分が出てきたのも事実だ。B2Bチームから質問で出てきたクラウドの安全性、案件管理の作り方、顧客DBとの連携やカスタマイズもきちんと理解しておきたいし、あるいは他社でどのようにkintoneを使っているのかもぜひ知りたい……。

 そんなとき、なんと絶妙なタイミングで、サイボウズの営業から訪問依頼のメールが!

今週のあーみんの一言

 

いよいよB2Bチームでのkintone導入が本格的に始動しましたね!kintoneはデータベースの項目をドラッグ&ドロップで簡単にカスタマイズできるので、今回のようにチームのメンバーから「もっとここをこうしてよ!」という要望が上がった場合でも、すぐに対応することができるんです。登録されているデータに対してコメント欄でコミュニケーションも取れるので、チームで使うツールとしては、さまざまなメリットがあるんですよ。

 kintoneを導入したお客様からは「最初は得体のしれないツールに対して反発もあったけれど、今ではkintoneがないと仕事にならない」というご意見もいただいたりします。

 さて、次回はkintoneの魅力をもっとオオタニさんたちに知っていただくために、わたしがAMWさんのオフィスにお邪魔しちゃいます。うふふ、お楽しみに♪


(提供:サイボウズ)

※本連載ではビジュアル作成に「漫画カメラ」(スーパーソフトウェア)を採用しております。

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