多彩なゲストで彩られたcybozu.com Conference 2013基調講演
「cybozu.comは世界を目指さなければならない」の決意表明
2013年11月11日 06時00分更新
11月8日、サイボウズは都内のホテルでプライベートイベント「cybozu.com Conference 2013」を開催した。2時間半に及んだ基調講演において、サイボウズ代表取締役社長 青野 慶久氏は、cybozu.comの現状やグローバル展開について語った。
来年、cybozu.comの米・中での展開を本格化
cybozu.com Conferenceはサイボウズのクラウドサービスに特化したイベント。昨年はアントニオ猪木氏やアイドルグループが登場して話題を集めたが、今年はそういった“ギミック”なく約1800名の登録者を数えたようだ。
さて、基調講演で登壇した青野氏は、まず大企業(資本金50億円)でのクラウド導入がいよいよ5割を超えたという総務省のデータを披露。IT資産を社内に持たないクラウドを選択するユーザーが着実に増えていると説明した。「社内のサーバー運用は、すでに生産的でないという認識が拡がってきている」(青野氏)。とはいえ、米国では日本の倍にあたる企業がクラウドを選択しており、日本はまだまだという認識だ。
クラウドの分野においては、AWSやSalesforceをはじめとする外資系ベンダーの存在感が大きいが、米国のクラウドは盗聴問題などもあり、必ずしも万全とは言えないのが現状だという。こうした中、青野氏は「私はメイドインジャパンのクラウドを推したい。日本にデータセンターがあり、日本人が運用管理しているクラウドは、海外においても、新しいブランドになるのではないかと思っている」(青野氏)。
もちろん日本にデータセンターがあれば安全なわけではない。その点、cybozu.comは安定運用、データ保全、認証という3つの要素を満たすという。青野氏は、「世界最高レベルを実現していると自負している。ぜひ安心してお使いいただければ」と自負する。
続いて、青野氏から紹介を受け登壇したcybozu.com運用責任者の山本泰宇氏は、最新のcybozu.comのセキュリティとインフラについて説明した。
同氏は、ユーザーが使いまわしているパスワードに対する攻撃が横行している現状を説明。cybozu.comではもとよりIPアドレスの制限、二段階認証、不正アクセス検知などを導入しているが、今回新たにcybozu.comストアにおいても二段階認証を導入すると説明した。また、情報漏えいに対しても早期の情報収集や侵入検知システムの導入、システム管理権限の厳格な運用を行なっているとのこと。さらにGoogle Chromeではソースコードレベルで、cybozu.comへのアクセスの常時SSL化が埋め込まれていることを紹介した。
セキュリティのみならず、cybozu.comは運用管理に関しても充実したメニューを持っている。山本氏は、「私自身システム管理者であれば、データのリストアも、障害時の情報収集もあきらめたくない」と述べ、バックアップデータのリストアや障害のモニタリング、ブログによる情報公開も積極的に行なっているとアピールした。
山本氏のあと再び登壇した青野氏は、「日本人が作るクラウドこそが、世界で一番安心・安全を実現できると信じている。だから、cybozu.comは世界を目指さなければならない」と述べ、来年から米国・中国における本格的なマーケティング・PR活動を開始すると発表した。また、cybozu.comの基本のディスク容量を現行の倍になる2GBに拡大することを発表した。
多様化するチームを強くするクラウド
始まって2年経ったcybozu.comだが、先月いよいよ有料会員社数が5000社を突破したという。そして、この中には東証一部上場や日経225に名を連ねる大企業も含まれており、厳しいセキュリティポリシーを持ったエンタープライズの顧客にも受け入れられているとのこと。
cybozu.comは、グループウェアであるサイボウズ Office、Garoonはもちろん、メールワイズ、クラウドネイティブなKintoneなど、SaaSもしくはPaaSとしてアプリケーションとカスタマイズ基盤を提供しているのが大きな特徴だ。青野氏によると、これらはすべて「チームを強くするクラウド」として設計されているという。
では「チーム」とはなにか? 学術的にはメンバーが共通のビジョンを持ち、相互に依存しながら、役割を果たしていくという集団で、単に人が集まっただけではチームにはならないという。しかし、最近はこのチームが多様化している。「全員が同じ場所や時間で働けるとは限らない。全員が日本人であるとは限らない」(青野氏)。これに対して、cybozu.comでは「チームワークのシステム要件」を策定。「管理者による統治」「強固な認証」「共有データベース」「プロセス管理」「場と参加者の設計」など10種類の要件に落とし込み、多種多様なチームワークに対応していくという。
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