――イベント周りや新キャラについて、鎌池先生はどれくらいかかわっているのでしょうか。
岩野氏:運営後の新キャラは、ネタをコチラから出して監修してもらっているという形です。
鎌池先生:今はメインとなるキャラたちの柱を作りつつ、そこから派生できるような下地作りをしているところですね。
――本作で、これから挑戦してみたいことはありますか?
鎌池先生:エクスカリバーって、呼び方も変わっていろいろな国で伝説を残している聖剣なのですね。それを生かして、元はエクスカリバーだけど、異なる名前の剣同士でガチンコでぶつかっていくシナリオとかを書いてみたいですね。それと、エクスカリバーの説を追っていくと、実はエクスカリバーより強い剣があって、他の騎士にエクスカリバーを預けたという話もあるそうなんです。それならば、モードレッドを倒した後でも、こういう形で物語を続けていけるのかなと。
岩野氏:今は第1部のシナリオをリリースしていますが、それは第10章で完結しているんです。ここで一度は危機を回避するんですが、第2部、第3部でも別の危機が待っています。この段階でもまだ伏線などは回収しきれていないのですが、鎌池先生が話してくださった内容が続くとしたら、その後なのかなと思います。
鎌池先生:原点となるアーサーの物語だけを追っていくと、ゲームではゲームオリジナルの設定をすべて追うことは難しいんですよ。第2部以降は、そういうゲームオリジナルの設定や伏線の回収をしたりしながら、進んでいくものになっています。
――鎌池先生の作業について詳しく聞かせていただけますか?
鎌池先生:シナリオを書く段階では、自分で会話画面を作ることができるツールを借りて、背景などを設定しながらテストで作ったりしました。
――鎌池先生はゲームを遊んでいるんでしょうか?
鎌池先生:実は遊んでいないんですよ。これには理由があります、シナリオで結構なムチャぶりをしているところもありまして、実際のものに触れて、例えばこれ以上のことはできないとかを頭で理解するのがちょっと怖いんですよ。そこで萎縮しちゃって、シナリオを広げることができなくなったりとかするとイヤですしね。
でも、普通のゲームでは難しいことも、結構スクウェア・エニックスさんはこたえてくれるんですよ。今までにない、こういう背景の追加をお願いしますって、いきなり指定を入れさせてもらったり(笑)。
岩野氏:そうですね(笑)。難しい場合は、この背景の流用でも構いませんとか書かれているんですけど、そう言われたら作るしかないだろうと。
――小説家である鎌池先生に、ゲームのシナリオをお願いしてみていかがでしたか?
岩野氏:これまで僕がゲーム開発でかかわってきたタイトルは、シナリオはすべてゲームを手がけてきたシナリオライターさんにお願いしていたんです。本業が小説家という方にシナリオをお願いするというのは、今回が初めてなんです。でも、思っていたよりというか、想像以上にゲーム開発というものを理解されていて、ゲームならこういう演出が必要ですよねとか、シナリオだけでなく演出も考えらているんですよ。例えば会話の合間に、ここは暗転させて画面を揺らすとか。ですので僕ら開発側も、鎌池先生の描いたイメージをかなりつかみやすかったですね。
鎌池先生:それに関しては先程も言った会話場面を作れるツールをいろいろと試してみて、そこでエフェクトをひと通り触って見ることができたのが大きいのかなと思います。それを試してからは、あとはいつもどおりにテキストを書いていたんです。
岩野氏:あれは開発初期のツールなので結構使いづらいところもあったと思いますが……。
鎌池先生:でも、あのツールがないとあまりイメージできなかったと思います。
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