Lytroカメラのホームランバー的形状には理由がある。前半分以上を光学8倍ズームと、絞り値「F2」の明るいレンズエリアが占めている。そして光学系レンズ群の少し後ろに位置する「Light Field Sensor」が、撮影時に入ってくる光線の色や方向、強さなどをデータとしてキャプチャーし、「Light Field Engine 1.0」の論理回路で、超高速に大量のデータをデジタル的に記録する。その結果、撮影後に写真の任意の場所(距離)に焦点を合わせた画像を、リアルタイムに再生できるのだ。
Light Field Sensorで解析した大量のデータを記録する必要のあるLytroカメラは、当然写真1枚のファイルサイズも、通常のデジタルカメラの写真データより大きい。筆者の購入した8GBモデルでは、約350枚の写真を保存できる程度だ。逆算すると、Light Fieldカメラの写真は1枚あたり、平均で22MBくらいのデータサイズだと想像できる。
Lytroカメラの大事な光学レンズ部分は、マグネットでくっつくスクエアな専用レンズカバーで保護される。ただしこのカバーには、紛失防止のストラップなどがないために、知らないうちに落としていても気づかないので注意が必要だ。アルミニウムとシリコンラバー製の本体には、電源スイッチとシャッターボタン、8倍ズームスイッチ、micro USBポート、ストラップホールが装備されている。
光学レンズの反対側には、実測1.5インチのタッチ式カラー液晶モニターが取り付けられている。Lytroカメラのほとんどの操作は、シャッターボタンとズームスイッチ、液晶タッチパネルの3つで行なえる。充電はmicroUSBポートから行なう。パソコンのUSBポートでも、国内で一般的に入手可能なUSB ACアダプターでも問題なく充電可能だった。
デリケートでゴロンとしておかしな格好をしたLytroカメラは、移動時の収納に困ることが多い。筆者が海外から友人に持ち帰ってもらった専用ケース「カメラスリーブ」は、ミニマムで持ち運べるようにと考慮されたデザインだが、国内販売されていないのが残念だ。
被写体に向けてシャッターを押すだけ
フォーカスは必要なし
「Shot Now Focus Later」のキャッチコピーにあるように、撮影操作は極めて簡単だ。「Everyday Mode」と言うオート撮影モードなら、被写体の方向にレンズを向けて、モニターにおおよそ被写体が入ったら、ただシャッターボタンを押すだけ。一般的なデジカメにも付きものの、ピント(フォーカス)を合わせる、確認するという常識的な動作はまったく必要ない。また、撮影前に電源ボタンを押さなくても、シャッターボタンで電源は自動的にオンになるので、動作は敏捷だ。
8倍ズームスイッチはシャッターボタンの手前、液晶ファインダーよりにゴムカバーに細かなドットが、横一直線に盛り上がっている部分にある。指先で右になぞるとズームインして、左になぞるとズームアウトする。ズーム状況は、液晶ファインダーの上辺に位置表示される。
電池残量やストレージ残量、フォーカスエリアのオート/マニュアル切り替え、ISOやシャッタースピードの切り替えなどは、液晶ファインダー下段を上方向に指先でドラッグすると、隠れているメニューが表示されて設定や変更が可能だ。
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