Windows 8の操作方法の浸透に効果を発揮
ソーシャルアプリのもうひとつの重要な役割は、Windows 8の操作方法の浸透に効果を発揮するという点だ。
Windows 8ならではの操作を習熟してもらうには、身近であり、しかも、写真やテキストなどの複数データを活用することになるソーシャルアプリは最適だといえる。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部の藤本恭史本部長は、「Windows 8の購入者の90%がその日のうちにチャームを利用し、85%がデスクトップ画面を利用。さらに50%がWindowsストアにアクセスしているという結果が出ており、多くのユーザーがいち早く新たなユーザーインターフェースを体験している」とする。しかし、それでも慣れない操作方法に苦労をしているという声はよく聞く。
その点で、ほぼ毎日利用することになるソーシャルアプリがWindows 8対応となることで、Windows 8ならではの使い方を習得する、いわば「入門アプリ」には適したものとなる。
サイバーエージェント 技術部門執行役員 アメーバ事業本部経営本部統括の長瀬慶重氏は、「Ameba芸能人・有名人ブログでは、スマートフォン向けに注力してきた経緯があり、ここで培ったノウハウを、Windwos 8搭載タブレットによるタッチ操作などに生かせる」と話す。
また、ミクシィ メディア統括部Windows 8ユニットプロダクトオーナーの戸高慎一郎氏は、「Windows 8対応アプリでは、共有チャームからのmixiチェックへの投稿を可能にしている。また、Windows 8の操作が不慣れな人にも安心して使ってもらえるように、チュートリアル機能を搭載しているのが特徴」などと、Windows 8の入門利用にも対応していることを示す。
日本マイクロソフトの藤本業務執行役員も、「200ピクセル分を分割するスナップビュー機能により、ソーシャルアプリを常駐させておき、デスクトップアプリで作業をしながらも、ソーシャルメディアをチェックするといった使い方ができる。また、Windwos 8では、異なるソフト同士で情報簡単に受け渡せるため、ソーシャルアプリを通じた情報と人とのつながりを実現できる」と、Windows 8ならではの機能を、ソーシャルアプリで生かせることを示す。
LINEアプリでも、スナップビュー機能に対応。トーク中の友だちを一覧表示し、ながらチャットの使い方が可能だ。
ソーシャル革命という言葉に代表されるように、Windows 8において、ソーシャルメディアの活用は重要なポイントとなる。
しかし、ソーシャルアプリの公開が、Windows 8発売時点で出揃わなかったのは残念だ。
これはマイクロソフトの仕掛けに問題があったのか、それともソーシャルメディア側がそれほどWindows 8には関心がなかったのか。
いずれにしろ、これから出揃うWindows 8対応ソーシャルアプリの利用度が、Windows 8普及を推し量るひとつのバロメータとなるのは間違いない。
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