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マイクロソフト・トゥディ 第24回

「Windows 8」発売から約50日経過、その普及戦略は?

2012年12月13日 11時00分更新

文● 大河原克行

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 「Windows 8」が発売されて約50日を経過した。

 しかし、予想外の傾向がみられている。それは「Windows 7」の在庫が市場に多く残っており、Windows 8発売以降、依然として売れ筋の主力となっているのがWindows 7搭載PCなのである。

 BCNの調べによると、11月のOS別の販売台数シェアは、Windows 7搭載PCが77.2%を占めており、Windows 8搭載PCはわずか16.9%に留まっているのが実態だ。

 もちろん、日本マイクロソフトにとっては、Windows 8を搭載した新たなPCが売れてほしいというのが本音だろう。

 しかし、視点を変えて、マイクロソフトの狙いが、Windows 8全体としての普及、あるいはWindows PCそのものの広がりという点にフォーカスするのならば、Windows 7の売れ行きが好調なことは、歓迎すべきことだという判断もできる。

 というのも、Windows 7搭載PCの販売が好調なことは、結果としてWindows 8の普及を加速することになるからだ。

Windows 8普及のための手立て

 Windows 8の普及という点では、3つの手立てがあるといえよう。

 ひとつは、Windows 8搭載PCの販売促進だ。これは、日本マイクロソフトのマーケティング戦略の中軸となるものだ。タッチ機能など、Windows 8ならではの体験を実現する選択肢だといえる。

 ふたつ目が、既存のWindows 7ユーザーに対して、パッケージによるアップグレード版を提供し、Windows 8へとアップグレードしてもらうという手だ。

新たなPCの購入に加えて、既存PCのアップグレードも提案のひとつ

 実は、Windows 8の発売以降、日本マイクロソフトはこの取り組みに力を注いでいる。

 たとえば、アップグレード版は、2013年1月31日までの期間限定でパッケージを6090円で提供。さらに、ネットを通じたダウンロードでは3300円でのアップグレードを可能としている。通常価格の2万7090円から大幅な価格引き下げのキャンペーンを実施しているのだ。

アップグレードパッケージは6090円で入手できる

 これによって、既存のWindows 7ユーザーが、Windows 8へと移行しやすい環境を実現している。

 日本マイクロソフトの説明では、Windows 8は、Windows 7に比べてOSやアプリケーションの起動時間などのパフォーマンスやバッテリー持続時間を大幅に改善していることから、現在、Windows 7が動作しているPCにWindows 8を入れるだけで、そうしたメリットが享受できるという。

Windows 8は、Windows 7に比べてOSやアプリケーションの起動時間などのパフォーマンスやバッテリー持続時間を大幅に改善している。Windows 7が動作しているPCにWindows 8を入れるだけで、そうしたメリットが享受できる

 当然、タッチ機能などは使えないことになるが、Windows 8に対応した新たなマウスを購入するといった手法で、Windows 8特有の横スクロールなども対応できる。周辺機器との組み合わせがWindows 8環境での操作性を実現することにつながる。

Windows 8搭載ノートの場合は、タッチパネルを搭載していないモデルでも、タッチパッドによってWindows 8ならではの操作を行なえる

 そして、最後の取り組みが、Windows 7搭載PCの販売を促進することである。これは日本マイクロソフトが、積極的に展開しているわけではないが、実際、量販店店頭ではこれが重要な施策となっている。

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