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Windows 8を堪能するタッチパネルノート&デスクトップ特集 第1回

一台二役 Windows 8ならではの変形ノート5機種をチェック

2012年11月12日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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ノートパソコンとしての性能や使い勝手は?

 変形機構や携帯性だけでなく、性能や使い勝手も重要だ。まず挙げておきたいのは、今回の5製品はいずれも、処理性能の面では十分実用的なものを備えていることだ。特にUltrabookの4製品は、Core i7/i5クラスのCPUを搭載しているし、本体がタブレット型のSTYLISTICでも、Core i5を搭載している。ストレージもSSDなので、かつてのAtomプロセッサーを採用した軽量ノート/タブレットとは、快適さが段違いであるのは間違いない。

製品名 CPU メモリー SSD ディスプレー
VAIO Duo 11 Core i5-3317U 1.7GHz 4GB 128GB 11.6型 1920×1080ドット
dynabook R822 Core i5-3317U 1.7GHz 4GB 128GB 12.5型 1366×768ドット
レッツノートAX プレミアムエディション Core i7-3667U 2GHz 8GB 256GB 11.6型 1366×768ドット
IdaePad Yoga 13 Core i5-3317U 1.7GHz 8GB 128GB 13.3型 1600×900ドット
STYLISTIC QH77/J Core i5-3427U 1.8GHz 4GB 64GB 11.6型 1366×768ドット

お詫びと訂正:掲載当初、Yoga 13のSSD容量を256GBと記載していましたが、正しくは128GBでした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2012年11月12日)

 今回の5製品のうち、レッツノートAXプレミアムエディション以外は、いずれも量販店店頭で販売されている基本的な仕様のモデルを選んだ(Yogaは店頭モデルの中でも最上位の製品)。なおレッツノートAX以外の製品も、直販モデルでプロセッサーやメモリー搭載量、SSD容量の大きな製品も選択可能だ(STYLISTIC直販モデルのCPUは下位のみ)。

 性能面ではいずれの機種も、動作周波数1.7~2GHz程度のCore i7かCore i5を搭載する。動作周波数の多少の違いや、内蔵3次キャッシュメモリー容量の違いはあれど、どのCPUも2コア4スレッド動作であることに代わりはないので、大きな性能差はない。グラフィックス機能も、全機種がCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を使っている。

 性能面で気になるとすれば、メモリー容量とSSD容量だろう。店頭モデルの構成ではメモリー4GBの製品がほとんど(レッツノートAXも店頭モデルは4GB)だが、Yogaだけは8GBを標準搭載する。Windows 8でウェブブラウザーを使いながらいくつかのアプリで作業をしていると、8GB程度のメモリーを搭載したパソコンでも3GB以上のメモリーを使う。4GBで足りないと思うことは少ないだろうが、変形ノートでユーザーがメモリーを増設できる製品はない。快適さを重視するなら8GBを標準搭載する製品か、直販モデルで8GBを選択する方が望ましい。

 同様に、SSDも後からの交換ができない以上、それなりの容量が欲しいところだ。128GBでも、例えば大容量のクラウドストレージを駆使するといった方法でカバーできなくはないが、多数のアプリを入れて写真や動画も扱うという場合は、256GBが欲しい。各社の直販モデルでは、256GB SSDを搭載するモデルが用意されている。

 直接性能の比較ではないが、VAIO DuoとSTYLISTICはスタイラスペンが付属、R822は別売りで用意されている。タッチパネルがあるとはいえ、手書き入力にはペンの方が適する。またタブレット形態でデスクトップモードの細かい操作をする際にも、先の細いペンの方が扱いやすい面もある。これも後付けで追加できる機能ではないので、念頭に置いておくといいだろう。

 一方で、交換できない重要なスペックにディスプレーの解像度がある。今回の5機種のうち、R822とレッツノートAX、STYLISTICは解像度1366×768ドットのディスプレーを採用。一方でYogaは1600×900ドット、VAIO Duoは唯一1920×1080ドットのディスプレーを採用している。

 1366×768ドットは事実上、Windows 8では必要最低限の解像度にすぎない。たとえばWindows 8スタイルアプリを画面の左右端にもうひとつ表示する「スナップビュー」は、必要な最小解像度が横1366ドットとなっている。スナップビューの領域は常に横幅342ドット(境界線含む)なので、横解像度が1366ドットだと、スナップビューを表示すればメインのアプリやデスクトップモードの表示には、横1024ドットしか使えない。横1600ドット程度はないと、スナップビューの機能を生かしながら、今までと同じ程度のメイン画面を表示できないわけだ。

1366×768ドットの画面で、IE10をメイン(中央)、「ニュース」アプリをスナップ(右)で表示した状態

1920×1080ドットの画面で同じものを表示した状態。スナップはサイズが固定なので、メインのアプリが広々と表示されているのがわかる。デスクトップモードはこの画像でIEが表示されている部分に表示されるので、1366と1920ではデスクトップモードの広さが大違いになる

 Windows 8では今まで以上に、高解像度ディスプレーの価値が高まる。VAIO DuoやYogaはその点を正しく理解して、製品に反映させたと言える。それ以外の3機種は、画面に関しては最低限の仕様でWindows 8を使うことを余儀なくされる。たとえCPUのランクを100ドル分下げてでも、その分高解像度のタッチパネルディスプレーを採用したほうが、Windows 8のユーザー体験は高まるのではないか。メーカーには高解像度画面の価値を、もう少し高く考慮してもらいたいものだ。

 仕様面を店頭モデル同士で比較すれば、本特集で扱っているYogaの上位モデルが、トータルで優秀と言えよう。コンポーネントを選択できる直販モデルを考慮するなら、フルHDディスプレーを備えるVAIO Duoが最も優れる。WiMAX通信機能を内蔵する点も、VAIO Duoの強みだ(レッツノートAXも内蔵する)。画面解像度は変えようがないが、店頭モデルよりも少し上の性能やストレージを求めるなら、気に入った機種の直販モデルで適当なコンポーネントを選択すれば、満足できる製品が手に入るだろう。

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