それでも「折りたたまれた」印象のデザインにはこだわりがあるらしく、SDカード(フルサイズであり、写真データのやりとりにはプラスだ)スロット近辺の加工は実に凝っている。このあたりはちょっとうれしい点だ。
またSony Tablet Sで気になったところとして、表面の傷つきやすさがあった。ガラスベースではあったが、表面に貼り付けてあった飛散防止用シートの材質が柔らかく、そこに傷がつくことがあったため慎重に扱わねばならない、という印象を与えていた。
だがXperia Tablet Sでは、シート素材とガラス素材の両方を変更したため、そういった印象はなくなっている。ボディーがアルミになったのも、傷防止という点ではプラスだ。ちなみに、利用しているガラス素材はコーニングのゴリラガラスではないが、国内メーカーの同等の硬さのものであるとのことなので、安心して使ってよかろう。
ボディーの面で追加されたプラス要素としては、IPX4相当の防滴機能を備えたことが挙げられる。レビュー用機材も濡れた手などで触ってみたが、特に問題はなかった。風呂の中などで使うことを想定したものではないが、キッチン周りなどで飛沫が飛ぶ程度なら問題はない。
もうひとつ機能的な面を言えば、スピーカーの配置と性能が改善され、より音の厚みとステレオ定位がわかりやすくなったことが挙げられる。手に持っても隠れにくい。音質は確実に向上している。ただし、まだ外部スピーカーの方がいい音であるのは間違いないのだが。後述するソフト面での改善が効いている部分もあり、トータルでの満足度を上げる努力は明確だ。
ちょっと気になるのは、充電・PC連携のコネクターが専用のものに変更されたことだ。そのため、専用ケーブルがなければ充電などは一切できない。他方、このケーブルの反対方向はUSBコネクターになっているので、PCやUSB給電機器からの充電もできる。そこはプラスだ。コネクターの変更は「将来の拡張に備えて」とのことだが、汎用コネクターではダメだったのだろうか、という疑問は残る。
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