リモコンは東芝がかなりいい出来
前回同様、3モデルのリモコンを一通り見ていこう。ソニーはエントリー機と同じリモコンで当然ながら操作感なども同じ。ボタン数を整理するため、細かな設定や機能の選択は画面のメニューを使って行なうようになっているが、慣れてしまえばさほど煩雑ではない。
パナソニックは再生系のボタンが直感的に使える配置になっており、ボタンのサイズも大きく使いやすい。しかし、数字キーなどダイレクト選局用のボタンがカバー内にあるのが不満。
上位機のリモコンでは改善されているので、そちらのリモコンがほしくなる(ボタンがやや小さいことと、タッチパッドでの十字キー操作がやや使いにくいなど、上位機のリモコンにも不満はある)。その点では意外なことにエントリー機のリモコンの方が使いやすいということになる。
東芝のリモコンはエントリー機とはまったく異なる、薄型テレビ用のリモコンをアレンジしたものになっている。ボタン形状を変えて指の感触だけでも使えるような仕組みなど、よく出来たリモコンだ。
テレビをより積極的に楽しむならミドルクラスで!
こうしてミドルクラスのモデルを見ていくと、単純にさまざまな機能が増えているということではなく、BDレコーダーとしての在り方とか使用スタイルがエントリー機とは異なっていると思える。
従来通り、見たい番組を録画しておき、必要ならばBDに保存するというだけならば、エントリー機でなんの不満もない。ミドルクラス機は、もっと積極的にテレビコンテンツや多彩なネットコンテンツを自在に楽しむための製品ということだ。
3万円台のBDレコーダーは買いなのか? という問いに対する回答は、ユーザーの使い方次第ということになるだろう。
次回は、3万円台のBDレコーダーにとっての強敵である格安HDDレコーダーの登場だ。BDドライブを内蔵しないものの価格的にはさらに安価である。
シンプルにテレビ録画をするだけならば、BDレコよりもお買い得では? と言われ、最近注目度が高まっている。BDレコとはどう違うか、本当にBDレコよりもお買い得なのかをじっくり確かめてみたい。
これはニア全録!? 3チューナーのシャープ「BD-T510」
今回、機材借用が間に合わなかったのだが、実はシャープからも6万円台で手に入る3チューナー機が登場している。
「BD-T510」(実売価格6万2000円前後)は、同社の3チューナー機の500GBモデルで上位機のような画質・音質チューニングは省略されているが、機能的にはほぼ同等で、無線LANユニット内蔵、USB HDDによる増設対応、「アクトビラ」などの動画配信サービスやDLNAサーバー機能を備えるなど、ライバルと比べても機能に見劣りはない。
独自機能は2つある。ひとつはカセット型で手軽に内部のスロットに装着してHDD容量を増設できる「SHDD(スロットインHDD)」の採用。USB HDDの増設にも対応しているが、USB HDDが同時にひとつの番組しか録画できないのに対し、SHDDならば3番組同時の録画も可能になっているなど、内蔵HDDに近いマルチ機能を実現していることがポイントだ。
素人目線で考えても、置き場所や電源が必要になるUSB HDDをレコーダーのそばに置くよりも、配線や電源不要で使えるSHDDの方が使い勝手はいいだろう。
もうひとつが、3チューナーを活用する機能とも言える「最新上書き録画」。これは好みのジャンルを指定しておくことで、それらに該当する番組を自動で更新録画する機能。例えば、「サッカー」と設定しておけば、サッカーの試合やニュースなどの番組が残らず録画され、常時最新の放送のみ保持されているというわけだ。
これは“効率のいい全録”と言ってもいいもので、サッカーファン、野球ファンにはありがたい機能と言えそう。さらに、あらかじめ設定しておくことで、視聴中の番組を常時一時保存しておき、見逃したシーンなどに自由に戻れる機能。これも、全録型レコーダーのメリットを3チューナー機でうまく実現したものだ。
3チューナー機としては後発になるシャープだが、なかなかユニークな機能を備えており、快適なテレビ録画を楽しめるモデルと言えそうだ。
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