最大3セットのXeoが“共存”できる
実際の使用状態を考えてみると、オーディオ機器やPCなどのそばにトラスミッターを置いて機器と接続しておけば、スピーカーは電源さえ確保できればどこに置いてもよいということになる。木造家屋ならば電波は十分に通るので、スピーカーは別室にあってもいいわけだ。
しかも、付属のトランスミッターは最大で3組のXeoシリーズと同時接続が可能で、追加用スピーカーシステムとして、トランスミッターの付属しないXeo3とXeo5の両方の発売も予定されている。
ということは、例えば、オーディオ機器やテレビがあるリビングにXeo5を置いておき、個室などにはXeo3だけを置いておけば、リビングにあるオーディオ機器の音を個室でもワイヤレス再生できてしまうということになる。
キッチンなどにスピーカーだけを配置しておけば、奥さんが料理などをしながら音楽などを楽しめるようになるわけで、とかく「お父さんにしか使えないオーディオ機器なんて、ぜいたくだから買ってあげません!」と言われる心配を回避することもできるわけだ。
スマホ操作アプリ対応の機器ならば
別室からでも快適に音楽を楽しめる
意地悪な突っ込みをすると、「別室のスピーカーでワイヤレスで音を出せるのはわかった。で、使うときはわざわざ別室に行ってプレーヤーとかを操作しに行かないといけないの?」ということになる。
これについては確かにそうだ。FM放送などを聴くだけなら、機器の電源を入れるだけではあるが、FM局の切り替えはわざわざ部屋を移動する必要がある。
だが、最近のオーディオ機器はスマートフォンによる操作に対応した製品が多いことに気付けば、こんな問題の多くが回避できる。例えば、ネットワークオーディオプレーヤーはスマホで操作した方が確実に使いやすいオーディオ機器の代表。
筆者の所有するLINNの「MAJIK DS」などは、スマホ側でNASに入った曲の選択はもちろん、プレーヤーをスタンバイ状態にしたり、復帰させることまでできる(使用するプレーヤーソフトによる。筆者の場合はPlugPlayerを主に使用)。これならば、わざわざプレーヤー機器の場所を気にする心配はない。スピーカーを買い足すだけで、プレーヤー機器は家の中には1台あればいいというのは、経済的とも言える。
意外と便利なのが、薄型テレビに組み合わせるスピーカーとして使用すること。薄型テレビの光デジタル音声をトランスミッターに接続しておけば、スピーカーは電源をつなぐだけで配線は不要。テレビの裏側の配線もすっきりして掃除もしやすい。
音質面を考えても、ちょっとしたシアター用スピーカーを組み合わせるよりも質の高い音が得られるだろう。この場合も、プレーヤー機器なども一緒に接続しておけば、どちらも付属のリモコン操作でソースを切り替えて再生できる。
さらに、3台まで同時接続可能だからリビングで家族がテレビを視聴中でも、自室でプレーヤー機器の操作をして音楽鑑賞をするということも同時に行なえる。ここまで来るとなかなか便利そうに感じる人も多いのではないだろうか?
少ないコンポーネントで配線不要で使える!
実力の高いスピーカーに、専用設計されたアンプを内蔵するということは、このほかに必要になるのはプレーヤー機器だけとなり、スピーカー+アンプ+プレーヤーという3つのコンポを組み合わせていたこれまでのオーディオ・コンポに比べて、部屋に置くコンポの数が減るメリットもある。
オーディオ機器や薄型テレビなどと幅広く接続でき、USB端子でPCと接続する、といった使い方もできるなど、活用範囲もなかなか広い。言わば、PC用の小さなパワードスピーカーと同じような感覚で使える親しみやすさがある。
しかもワイヤレスだから、スピーカーの置き場所の自由度が高いのが魅力。実はホームシアターシステムのリアスピーカーとして使うのも面白いのではないかと考えている。部屋の後ろに電源さえあれば、部屋中にスピーカーのケーブルを引き回す必要がなくなる。このメリットは大きいだろう。
さらに、こうしたアンプ内蔵スピーカーが増えてくると、多チャンネル化が進むAVアンプも、無理にパワーアンプを内蔵せずに済む。最小限の5.1chアンプだけを内蔵したコンパクトなAVアンプなどの登場も期待できるだろう(AVアンプもスマホで操作可能な機種が主流。ネットワークオーディオ再生機能を持つものも多い)。ワイヤレス・スピーカーには、オーディオ、AVの両面で大きな可能性があると思う。
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