性能はIvy Bridgeより上、個人向け最速CPU搭載の「Endeavor Pro7500」
2012年06月21日 19時00分更新
CPUの消費電力が大きいものの、熱対策は万全
Core i7-3960Xのネックは、TDPが130Wと消費電力が大きいことだ。「Endeavor Pro7500」でCPUの消費電力を見てみると、アイドル時で20W前後、ベンチマークテストで高負荷をかけた状態では120Wを超えている。Ivy BridgeコアのCore i7-3770(TDP:77W)では、アイドル時で8Wほど、高負荷時でも50W前後なので、この差はかなり大きい。
ただ、CPUパッケージの温度については予想以上に低く保たれていて、室温24度の環境下で、アイドル時が38度、高負荷時でも70度だった。Core i7-3960XはリテールBOXにもCPUクーラーが付属しないため、基準になるとすればインテル純正の「RTS2011AC」(丸型のトップフロー式)あたりであると想定されるが、「Endeavor Pro7500」ではそれよりもサイズが大きいサイドフロー式のCPUクーラーを搭載していることから、冷却性能も高いようだ。
メモリーの転送速度はIvy Bridgeの2倍
メモリーについては、Sandy Bridge-E、Ivy BridgeのどちらもDDR3-1600をサポートしているが、Ivy Bridgeがデュアルチャネル対応であるのに対し、Sandy Bridge-Eはクアッドチャネル対応という点が大きく異なる。そのため「Endeavor Pro7500」では、同じ容量のメモリーモジュール4枚を搭載することで、メモリー転送速度がIvy Bridgeの2倍にあたる51.2GB/sとなる。これはあくまでも理論値で、実際の転送速度が2倍になるわけではないものの、メモリー性能がIvy Bridgeよりも優位にあることは確かだ。
「Endeavor Pro7500」では、メモリーをクアッドチャネル構成で最大32GBも搭載することができる。今回の試用機でも8GBメモリーモジュールを4枚搭載して、計32GBになっていた。これほど広大なメモリー空間を必要とする場面は想定しづらいが、例えば「Adobe Premiere Pro」などを使って本格的な映像編集を行う場合には、作業能率のアップや動作の安定性向上につながるだろう。あるいは、メモリー領域の一部をRAMディスクとして活用するという手もある。
CPUがCore i7-3960Xで、メモリーが32GBという構成は確かに垂涎ものだが、さすがにおいそれとは手が出ない価格になってしまう。もう少し現実的な価格に抑えたいなら、CPUをワンランク下げてCore i7-3930K(3.20GHz、TB時最大3.80GHz)に、メモリーも16GBにするのがよいだろう。Core i7-3930Kは、Core i7-3960Xよりもクロック周波数が100MHz低く、3次キャッシュの容量も12MBとやや小さくなるが、6コア/12スレッドの倍率ロックフリー版というところは共通しているので、実際のパフォーマンスはCore i7-3960Xとそれほど大きく変わらないはずだ。また、メモリーを16GBにした場合は、4GBモジュール×4枚の構成になるので、クアッドチャネルのメリットもきちんと生かされる。
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