供給過剰な今こそ、新たな市場を開拓
2010年末現在、日本国内におけるインターネット利用率は約80%※と、高齢者と小さな子ども以外、ほぼすべての人がネットを使っている。現在、国内では、これ以上飛躍的なインターネット利用率の増加は望めない。
※総務省「通信利用動向調査」より
しかし、ECサイトの出店数そのものは、年々増加傾向にある。ネットの利用者は増えないのに、競合店はどんどん増えているのが現状なのだ。
「しかも、楽天市場では、1店舗あたりの売り上げは横ばいなのに、1回あたりの平均購入金額は2008年の7800円から、2011年の6900円と、11%も減少しているデータがあります。つまり、その分、出荷数が増え、忙しくなっているということです。この状況は、モールに限らず、独自ドメインのECサイトでも同様だと思います」(権さん)
こんな供給過剰な時代に突入した今だからこそ、『近江牛.com』のリニューアルのように、今まで以上に、自社の強みを見極めたうえで、誰に、何を売っていくのか明確にして新しい市場を開拓していかなければならないのだ。
「右から左にモノを売る小売りは、ますます厳しくなっていくと思います。今後は、ECサイト=小売りという枠にとどまらず、ECサイトで見つけた新しいニーズを開拓したり、自分たちにしかできない新しい役割りを見い出すことが求められます。いうなれば、Web2.0ならぬECサイト2.0という段階にきていると思います」
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プロの視点を取り入れてネットショップを分析すると、店主も気づかなかった強みや弱みを改めて確認でき、今後、誰に、何を訴えていけば良いのか明確になる。中長期的な販売戦略を立てる意味でも、リニューアルなどのタイミングでプロの力を借りるのは、プラスに働く可能性が高いといえるだろう。(完)