このページの本文へ

店主の頭を悩ませる、パート教育や外注先との折衝 (1/2)

2012年01月17日 10時01分更新

文●三浦たまみ

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷
バックナンバーへ

この記事が参考になる業種

  • 雑貨/グッズ
  • 文具/ステーショナリー
  • 家具/インテリア

 2004年、革小物専門店『Cカンパニー』の店主・佐藤明美さんは、ネットショップの運営体制を根本から見直す出来事に直面した。

 ネットショップを始めて間もない会社が陥りやすい失敗に、人員体制の問題がある。注文が殺到してうれしい悲鳴をあげていると、発送作業が間に合わなくなるなど、これまでの人員体制ではまかなえない事態に直面するからだ。繁忙期における人手不足をどのように解消すればよいのか。どこのお店でも頭が痛い問題だ。

店主の意識を変えたスタッフとの関係

 佐藤さんも例外ではなかった。『Cカンパニー』の場合、2003年頃、右肩上がりに注文が急増した時期があり、それを機に4人のパートスタッフを雇うことにした。シフト制で、1日2名に働いてもらい、商品の受注と発送を任せた。パートの人たちとも和気あいあいと楽しく仕事ができればいい——。そう思った佐藤さんだったが、その甘い気持ちが仇になった。

「たとえば、『もっとスピーディーに発送作業をしてほしい』と思っても、なかなか言い出せず、次第に、何かお願いしても『やれません』、『できません』と言われるなどということが増えていきました」

第2回P01_01-2.png

Cカンパニー店主の佐藤明美氏

 なぜ、このようなことになってしまったのか。最大の問題点は「店主の自覚が欠如していたから」と、佐藤さんは言い切る。

 以後、佐藤さんの意識はガラリと変わる。店主としての覚悟ができたのだ。中途半端な態度は、かえってスタッフとの軋轢を生む。手綱を握る感覚を持つからこそ責任感も生まれるし、そういう店主にスタッフはついていきたいと思うのだ。それを、身をもって体感したのである。

第2回P01_02.png

Cカンパニーの商品はドラマの小物などで使われることが多い。使われたときはこのようなバナーで知らせる。こうしたちょっとした情報が売り上げに結びつくことが多い。2012年度もすでに数種類のテレビドラマと映画での起用が決まっており、放映時には連動してキャンペーンを開催する予定

Cカンパニー

http://www.hot-c.com/

http://www.rakuten.co.jp/ccompanystore/

  • 運営会社:株式会社シーカンパニー
  • オープン:2000年
  • 従業員数:11名(うちネット通販事業専業2〜3名)
  • 年商:非公開

ECサイトを2000年(前身は1959年創業)にオープンしたシーカンパニーが運営する革小物専門店。独自ドメインの本店と楽天に出店している。2012年には上海に進出予定。

前へ 1 2 次へ

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています