ノートン モバイルセキュリティー
盗難対策が充実も、位置検索が過剰?
今回扱うソフトの中で唯一、公式マーケットを使わない「サードパーティーアプリ」になっているのが、「ノートン モバイルセキュリティ」だ。インストールガイドには、「インストール後は『提供先不明のアプリ』のチェックを外せ」と記載されているなど配慮はあるものの、アップデートのたびに「アプリケーション設定」にある「提供先不明のアプリ」にチェックを入れる必要がある(筆者も普段使う端末の1台に入れているので、これを2回ほど体験している)。
公式マーケットを使わないメリットは「Googleに個人情報を伝えない」ぐらいしか思いつかないが、現実的にはGoogle Playストアを使わないAndroid生活は考えられないので、公式マーケットにも入れてほしい。ちなみにGoogle Playには「ノートン モバイルセキュリティ LITE」があり、有料登録することで正規版になると書かれているが、リージョンチェックがあるので、今のところ日本のマーケットからインストールできない。
ノートン モバイルセキュリティの「マルウェア対策」は、インストール時のスキャンのほかに、定時スキャンが日/週/月単位で行なえる(細かい時間設定はない)。また、SDカードのスキャンと「Norton Community Watch」(セキュリティーに関する匿名の自動レポート機能)のオン/オフが設定可能だ。
「着信とSMSの遮断」は、ブラックリスト方式による着信やSMSの拒否を行なう。設定は着信/SMSログ以外に、連絡先と番号の直接入力で設定可能だ。そのほかに、ウェブプロテクションは情報漏えいの恐れのあるサイトのアクセスを警告する機能となっている。
盗難紛失対策機能は2種類にわかれる。標準ではSMS送信による端末のロックやワイプ、検索、スクリーム機能に対応する。設定はパスワードの設定と「信頼できる友人電話番号リスト」(リモートでパスワードの再設定ができる)程度とシンプルだ。
また、追加アプリの「ノートン アンチセフト アドオン」(Google Playで提供中)をインストールすることによって、ウェブベースでの端末位置検出とリモートロックに加えて、リモート写真撮影が可能になる。位置検出はあらかじめ検出間隔を設定することによって、緊急事でなくてもサーバーに位置を記録できる。
リソース消費に関して言えば、アンチセフトのバッテリー消費が多いのが気になる。消費電力のほとんどはアドオンのアンチセフトが消費していた。今回のテストでの消費はGPSの利用が多いためと思われる。アンチセフトの設定はウェブサイト上で行なうが、初期設定では1時間ごとのチェックになっていた。頻度は1/3/6/12/24時間から設定できるので、チェック頻度を減らすことで、普段の消費電力を抑えることができるはずだ。ちなみにデバイスロック時は、さらに高頻度で検出するようになっている。
なお、計測ミスを疑って複数回計測してみたが、GPSの動作時間が長いという状況は変わらないので、テスト機種固有の問題かもしれない。Google Playでのコメント欄もGPS絡みのトラブルを散見する。あらかじめテストして、不要と感じたらアンチセフトはインストールせずに、位置検出はSMSによるリクエストで対処する方法もある。
ノートン モバイルセキュリティとアンチセフトの
バッテリー/リソース消費結果(Version 2.5.0.398)
※ 数字は前がノートン モバイルセキュリティ、後ろがノートン アンチセフトの値。
アプリの消費電力(24時間経過後) | ||
---|---|---|
352+60803mAs | ||
アプリの通信データ量(24時間経過後) | ||
下り | 上り | 総計 |
12.51KB+370B | 4.00KB+996B | 16.51KB+1366B |
ストレージ消費量 | |
---|---|
アプリ自体 | データ |
3.25MB+2.92MB | 500KB+48KB |
メモリー消費量 | |
起動直後 | スキャン後 |
35.95MB+34.55MB | 26.48MB+27.51MB |
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