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海上自衛隊の最新護衛艦「いせ」の内部を大公開!

2012年03月21日 18時00分更新

文● 中村信博

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自衛艦の内部に突入セヨ!

 2012年2月10日。兵庫県神戸に「ひゅうが」型護衛艦の2番艦「いせ」と、「たかなみ」型護衛艦「さざなみ」(DD-113)が寄港し、神戸港第4突堤(通称・ポートターミナル)Q1バースに着岸した。両艦とも11~12日にかけて一般公開が行なわれることになっていたが、この日は兵庫県や神戸市の防災関係者が招かれて、「いせ」艦内で防災研修が行なわれた。今回は海上自衛隊のご厚意で、関係者限定の防災研修の模様を取材させてもらったので、海自最大の護衛艦の様子とあわせてお届けする。

DDH「いせ」。全長197m、基準排水量13950トンを誇る海自最大の護衛艦だ。その大きさはイタリア海軍の軽空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」やタイ海軍「チャクリ・ナルエベト」をわずかに上回る。後方に着岸した「たかなみ」と較べると、その大きさが非常によくわかる

 「いせ」の話に入る前に、まずは海上自衛隊最新鋭の「ひゅうが」型護衛艦の解説をしよう。「ひゅうが」型護衛艦とは全長、排水量共に海自最大級のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)である。ヘリ空母と称されることも多い広大な飛行甲板を持つ独特の艦容は、何より艦載ヘリコプターの同時多数運用を可能にするために選択されたものだ。想定された任務は、搭載した多数のヘリと垂直発射システム(VLS)を用いた対潜・対空任務、新開発のC4Iシステムを活用した護衛隊群旗艦任務、そして強力な輸送力を活かした災害派遣任務である。

 そして、「ひゅうが」型の能力が実際に活用される機会が訪れた。2011年3月11日14時46分、東日本大震災が発生。その6分後の14時52分、自衛艦隊司令・倉本憲一海将(当時)は出動可能全艦艇に対して出港命令を発令し、本州各地の海自基地から多数の艦艇や航空機が東北沿岸へと向かった。2009年3月に竣工し、横須賀の第1護衛隊群第1護衛隊に所属していた1番艦「ひゅうが」(DDH-181)は、直ちに救援物資を積んで三陸沖へと移動。搭載ヘリによる捜索救難活動や救援物資の輸送活動、さらには広大な格納庫を利用した入浴支援活動に従事したのだった。

 日本を襲った未曾有の大災害で、洋上の救援基地として期待された能力を遺憾なく発揮した「ひゅうが」。そして、奇しくも震災発生から5日後の2011年3月16日、「ひゅうが」型護衛艦の2番艦「いせ」が、IHIマリンユナイテッド横浜工場にて竣工した。艦番号はDDH-182。「いせ」は第4護衛隊群第4護衛隊に所属し、今後は呉を定係港として海自護衛艦隊の一翼を担うことになった。

 昼12時、ポートターミナル着。岸壁際に三階建てのビルが建っているが、遠くから見ても「いせ」のマストが建物の向こうににょっきり立っているのが見えて、道を間違えることはない。建物の中は要所に警務隊員や警官が立っていて、どことなく物々しい雰囲気だ。防災服に身を包んだ関係者に混じって取材受付を終えると、岸壁に出て「いせ」と対面する。

岸壁に出て「いせ」と初対面。ムチャクチャデカい!! ステルス性を考慮した直線的な形状と、艦の大きさがあいまって、他の艦とは違う独特の存在感がある
岸壁には地元・神戸市の消防車が並んでいた。展示しているのではなく、防災関係者としてこの艦を見に来たのだ。阪神淡路大震災を経験した街だけに、やはり大きな関心があるのだろう
「いせ」を接岸させるために、朝のうちに別の基地から運び込んできた巨大な防舷物

 海自広報担当官を先頭に、各社の取材班が艦内へと入っていく。同じような平甲板型の護衛艦といえば「おおすみ」型があるが、あちらは輸送艦ゆえに舷側に車両搬入用の大きなランプがあるのに対して、「いせ」には人員乗艦用のラッタル(梯子)があるのみだ。艦内に入ると、そこは広大な格納庫甲板。「おおすみ」型でも相当な広さがあった格納庫だが、「いせ」のそれは桁違いの大きさだ。

他社の報道陣とともに、筆者も艦内へ。入ってすぐが格納庫だきわめて広大な格納庫。全長120m、最大幅20mの広さは、ヘリがローターを展開して整備を受けられる広さを想定したもので、内部には計8機のヘリを格納できる。露天繋止も含めれば最大11機のヘリを搭載可能
人がぎりぎりすれ違えるくらいの狭い通路を、奥へ奥へと進んでいく。むき出しで張り巡らされた配管や無骨なハッチが、この船が戦闘艦であることの何よりの証拠だ
通路の壁には、そこかしこに救命器具が据えつけられている。これは火災や有毒ガス発生時に装着する非常用呼吸器具だ

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