結果発表:iPhoneヘッドフォン本気で選ぶならどれ?
ポータブル型や大型のもの、密閉型と開放型など、形式や設計が大きく異なるモデルを集めたため、音質にはかなりの違いがあった。共通した印象は、カナル型に比べると低音がよりゆったりと余裕のある出方をする点。このあたりは屋外使用で使い勝手が良いと言えども、オーバーヘッド型の大きな魅力だと思う。
屋外で使うならば、ポータブル型のAKG「Q460」とボーズ「OE2i」が使いやすくおすすめだ。より大型のモデルにも匹敵するたっぷりとした低音とメリハリの効いたパワフルさが魅力のボーズと、低音はやや劣るものの十分パワフルで、なによりボーカルや音楽を生き生きと描くAKGと音の傾向はかなり違ってくる。どちらもiPhone用リモコンマイクが付属するので、今回の目的にはベストマッチだ。
ソニー「MDR-CD900ST」はまさに標準機という完成度で、良い意味で個性がない。音色も忠実感があるし、再現も極めてニュートラル。そのぶん、趣味の音楽鑑賞ではもうちょっと味付けが欲しい気もするし、録音の悪さをそのまま出す正直さは厳しい性格とも感じる。どちらかというと楽しく聴くよりはDTMや自分の演奏の録音など、プロに近い使い方をする人のための道具だろう。
総合優勝はAKG「Q460」、音質ならゼンハイザー「HD598」が最強!
個人的な好みも含め、今回のベストワンを決めるなら、ボーカルの表現が魅力的だったAKG Q460だろう。
ちなみにゼンハイザー「HD598」は、音楽的な表現力、音色の豊かさや情報量という点で、音質だけなら今回のベストだと感じたモデル。ふところに余裕があり、屋内用として手に入れられれば、かなり幸せになれるはず。
価格的にはどのモデルも2万前後。さほど大きな開きはないが、この価格帯になるとメーカーの持ち味がはっきり出てくる。製品数も多いので、好みの音のモデルを選び出すのは大変だが、じっくりと吟味すれば長く愛用できるパートナーになってくれるに違いない。
最終回となる第3回では、屋内で使うiPhone用スピーカーやミュージックシステムを紹介する。最近は自宅でもヘッドフォンを使っている人が少なくないようだが、やはり部屋の空気を動かし、空間を鳴らすスピーカーの良さはヘッドフォンとは違う趣きがある。こちらも、いずれも実力の高いモデルを取りそろえて紹介したい。
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