クオリティー重視、
ハイエンド志向の内部パーツ構成
低価格な電源ユニットは、内部回路の実装パーツが少ないことが多いのだが、SS-1000XPはハイエンドだけあり、カバーを開けると実装パーツがぎっしりと詰まっている。
SS-1000XPの内部を見て気が付いたポイントを挙げていこう。まず、アクティブPFC回路と出力平滑回路にあるヒートシンクがかなり小型なことだ。1000Wクラスのハイエンド電源になると、熱を逃がすためのヒートシンクもけっこうな大きさになるのだが、それと比較するとSS-1000XPは明らかに小さい。これは高変換効率のおかげで、熱になって消費される電力が少ないためだろう。
また、出力平滑回路に固体アルミ電解コンデンサーが使われているのも珍しい。固体アルミ電解コンデンサーは、通常のアルミ電解コンデンサーよりも低インピーダンスと長寿命を特徴としており、クオリティーを重視した設計といえる。またSS-1000XPでは、すべてのコンデンサーが日本製の105度品(高温下での動作に強い)である旨がアナウンスされている。こうした品質重視のパーツ選択が5年間という長期保証を実現しているのだろう。
PLATINUM認証は発熱も低い
ファン停止でほぼ無音のモードを搭載
冷却ファンは、自作ユーザーには古くから馴染みのある、山洋電気製の120mm2ボールベアリングファンを搭載している。このファンは同社「サイレント」シリーズの静音仕様モデルで、最高回転数は1500rpmである。ただし、電源ユニット側がファン停止、サイレント、クーリングの3段階のファンコントロールモードを駆使するため、最大回転数に達することはほとんどないだろう。今回テストを行なってみたのだが、室温が約16度だったということもあり、アイドル状態とCPU負荷のみのテスト中はほとんどファンが停止したままだった。もちろんファン停止中は電源ユニットからのノイズはないので、なるべく静かな電源ユニットを希望するユーザーにはうれしい仕様だ。
また、内部コンデンサーなどのパーツ寿命が気になるユーザーのために、ファン停止モードをカットするモード切り替えスイッチが用意されている。このスイッチをノーマルにすれば、ファンモードがサイレントとクーリングの2種類になるので、冷却重視のユーザーも安心だ。メーカー資料によると負荷50%までは低速回転のサイレントモードを維持するようになっており、今回のテストでのワットチェッカー読みで400Wを超えた時でも、ファンの回転数に変化は見られず、ノイズもまったく気にならないレベルであった。排気される空気に手をかざしても熱はほとんど感じず、80PLUS PLATINUM認証が静音や低発熱に大きく影響していることが伺える。