悪条件でも実用レベルで使えるテザリング
Sony Ericsson miniはテザリングの利用をかなり意識しており、ホーム画面中央にテザリングオン/オフを切り替えるための「Pocket WiFi」ボタンが用意されている。カスタマイズなしで即座にテザリングが行なえるのは、なかなか気の利いた機能と言えるだろう。
テザリングの設定項目はSSID名の設定と暗号化の設定などで、一般的なモバイルルーターやテザリング対応スマートフォンと変わらない。
Sony Ericsson miniでの通信速度(理論値)は下り最大7.2Mbpsより最大5.8Mbpsとなる。DC-HSDPAでの下り最大42Mbpsには対応していないため、通信速度はあまりふるわないかと思われたが、実際にテザリングを試してみると(富士通のミニノートPC「FMV LOOX U/C40N」を使用)、電波状況が良好なポイントでは下り4Mbpsを超えるスピードをマークした。
また、電波状況が「悪い」と表示された筆者自宅や、ビル谷間でも実用レベルで通信可能な速度が出ているので、屋内利用にも向いていると言えるだろう。速度はもちろん高速ADSLや光回線にはかなわないが、ブロードバンド回線代わりとして使うのにも悪くない。インターネット回線を一本化したいというユーザーにもなかなか魅力的と言える。
コストパフォーマンスはかなり高い
Sony Ericsson miniの端末価格は「ベーシック」で3万9800円だが、2年契約を前提とする「シンプルにねん+アシスト1200」なら100円となる。なお、アシスト1200は月額料金に1200円が上乗せとなる。
契約プランはデータ通信定額制の「スマートプラン」が月額4680円、データ通信2段階定額制の「スマートプランライト」は月額1780~5580円だが、(スマホを含む)音声端末向けの「月額割」により「スマートプラン」は月1100円、「スマートプランライト」は月600円の割引が用意される。
上記は「シンプルにねん」「EMnet」(月315円)の同時契約が条件なので、これも合わせると端末代が100円時の実質月額料金は4995円となる。通話料金を含んでいないので通話を行なうのならこれよりも高くなるが、他社の携帯電話やPHS、固定電話(IP電話含む)への国内通話(1回あたり10分以内)が月300回まで無料でできる「通話定額オプション」(月額1400円)も用意されている。
定額データ通信としてはかなりコストパフォーマンスが高い。既にイー・モバイルを利用中のユーザーも、月額割を利用する場合は機種変更時に発生する解除料が1万円割引となるキャンペーンが行なわれているため、気軽に端末変更が行なえる。
トータルで見るとSony Ericsson miniは端末、料金ともに魅力的な製品であるのだが、唯一気になるのがバッテリー駆動時間だ。バッテリフル状態から40分ほどテザリングを使用すると充電状況が78%になったことから、フル充電状態での通信可能な時間は180~200分前後と思われる。
こまめに充電できる環境でなければ、USB接続のモバイルバッテリーなどが必須になるだろう。
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