ネットワーク上でのお手軽なデータ共有用に、手間なく構築できるファイルサーバーとして広まった「NAS」(Network Attached Storage)だが、家庭内メディアサーバーとしての注目度も高い。最近では手軽さはもちろん、テレビ録画を入れても余裕の大容量と、RAID1といったデータ保護機能にも注目が集まっている。
今回の評価するアイ・オー・データ機器の「HDL2-A」シリーズは手軽さと大容量に加えて、読み出し時100MB/秒以上の高速性も達成し、同社のコンシューマー向けNASのフラグシップとも呼べる存在である。
RAID0およびRAID1対応
メンテナンス性のよい高速NAS
HDL2-Aシリーズは、白系の外観が多かった同社のコンシューマー向けNASの中では珍しく、非常にシンプルな黒いブロック形のボディーを採用している。前面下部にスリット状の半透明パーツがあり、動作時にはそこが緑に点灯する。そもそもNAS製品に設置場所は関係ない、動作状況さえ目視で確認できればいいのだから、お洒落をする必要はないわけだ。その点ではシンプルなHDL2-Aシリーズに好感が持てる。
背面には、Gigabit Ethernet対応(1000BASE-T)の有線LAN端子や2つのUSBポートなどがある。
2台の3.5インチHDDを内蔵し、対応するRAIDはRAID0のストライピングとRAID1のミラーリングとなっている。容量と速度を優先するならばRAID0、データの安全性を優先するならRAID1となるが、後述するように、Windowsからの利用ではRAID0とRAID1の速度差はそれほど大きくない。せっかくのRAID対応NASなのだから、ここはRAID1での運用を勧めたい。
背面空冷ファン上部のへこみの中には、上ぶた開閉用のノッチがある。この部分を押し上げると容易に上ぶたが開き、内部のHDDユニットを引き出せる。RAID1のミラーリング運用時に、万が一にどちらかのHDDにエラーが発生した際にも、簡単にHDD交換できるというわけだ。
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