指向性+無指向性、どっちも同時に録音してしまえ
そもそも指向性と無指向性のマイクがなぜ2ペアも必要なのか? 少々強引にたとえると、広角~中望遠のレンズを載せたデジカメのようなものである。広範囲の音を拾うが定位は甘い無指向性マイクと、定位はシャープだが狭い範囲の音しか拾わない指向性マイクの組み合わせ。この両者のバランスを変えることで、音の空間を操作できるのだ。
1) 指向性マイク(XY)で収録したもの
2) 無指向性マイク(OMNI)で収録したもの
これは近所の飛行場に出かけて録ってきたもの。右から左に移動する飛行機の音像に注意してほしい。XYがある1点を境にした急峻な移動であるのに対し、OMNIはなめらかなに移動しているのが分かるのではないだろうか。
それに加えてマイクの音質の差もある。XYは低域が弱いが、それをカバーする低域がOMNIにはある。その特性も踏まえてバランスが取れたらベストなのだが、現場でそういう微妙な判断は難しい。できれば音場も含めて録った後で考えたい。
XYとOMNYの“良いとこどり”をするために、マルチトラック録音ということになるのだ。
同時に6トラック録音できるといっても、普通のMTRのようにアフレコはできない。一度に3つのステレオファイルがドカっと記録されるだけ。でも後でパソコンに転送して取捨選択やミックスをするのだから、それでいいのだ。そのためにR-26にはDAWソフトの「SONAR X1 LE」も付属している。