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T教授の「戦略的衝動買い」 第163回

超高度手書き文字認識の「KYBER SmartNote」をまとめ買い

2011年09月29日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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 テキスト化された文字はオリジナルの撮影画像と共にメールに添付したり、FacebookやTwitter、Evernoteにアップロードが可能だ。FacebookやTwitterでは、手書き+iPhone撮影派のおじいちゃんと、スマホ単体キー入力派の孫がやりとりすることもできてしまう。

KYBER上の結果はメールやEvernote、FacebookやTwitterに転送できる。筆者はTwitterのIDを登録していないのでここには表示されていない

 筆者は、先ほどの企画書をKYBERのクラウドからEvernoteに転送アップロードしてみた。Evernote上には、KYBERシステムでテキスト化した証としてウォーターマークが付加された撮影データと、それを認識しテキスト化した結果が併せてアップロードされる。Evernote上のデータは、手書きで記述した文字すべてが確実に検索対象となり、任意の言葉を含む目的のノートを探し出す効率は飛躍的に向上する。

iPhoneでみたEvernote上の同じデータ(2行目)

Evernote上のグラフィックデータには一番下にKYBERのウォーターマークが入る

 奇跡のデジタルノートKYBER SmartNoteは、OCR後の正誤判定、正しい文字の入力に、人力を活用していると説明した。実は、その人力の多くは日本国内やアジアの国々に散在した2000名を超える「ユビキタス・スタッフ」と呼ばれるパートタイマーが実現している。

 ユビキタス・スタッフの手元にあるiPadや携帯電話には、センターからOCR装置でスキャンしただけのオリジナルの手書き文字イメージと、該当するOCR認識結果のテキスト文字がペアで送られてくる。

 ユビキタス・スタッフは、送られてきたペアの文字を目視比較して、正誤判定を○×で行なう。×の付けられたデータはセンターで修復され、すべてのデータが揃った段階で、ユーザ-の手元に送り返される。

 ユーザーからKYBERシステムに送られたデータは、個人データ保護の為に、いくつかのパーツに分解されてユビキタス・スタッフに送られる。KYBER SmartNoteの場合、データ保護と同時に、効率的な並行処理を実現する為、1ページを実線罫線を境界にいくつかのパートに分割して異なるユビキタス・スタッフに送付される。

 その為、実線罫線の上にまたがって文字を書くと、ひとりのユビキタス・スタッフには、文字の上下いずれかのパーツしか見えないので、認識されなかったり、誤認識が発生する可能性が高い。絵の横に筆者が無神経に書いた最初に登場する「マーカー」という文字がそれを証明している。判定不可能だった文字は“?”で表示される。

WindowsPCで見たKYBERクライアント上の同じデータ。左半分に元データ、右半分にテキスト化データが配置される

Evernoteに転送された同じデータ。「マーカー」というキーワードで検索すると、このノートが一瞬で表示される。テキスト化、全文TAG化の検索パフォーマンスは強烈だ

 実線罫線の上にまたがって文字を書かない……たったそれだけを守るだけで、KYBER SmartNoteは人類史上考えられなかった高精度の人力OCRの実力を見せつけてくれる。ともすれば、すべてをテクノロジーだけで解決しようと考えてしまう現代だが、結果良ければすべて良しが本来だ。KYBER SmartNoteが対応できないのは、人が読めない、暗号化されたような悪筆だけだろう。「究極のデジタルはアナログ」ということを証明したKYBER SmartNoteは、奇跡のノートなのかもしれない。

日頃使うメモには、認識を前提としないメモも多いので、筆者はKYBER SmartNoteとごく普通のアナログメモ2冊持ちを実験している。KYBER SmartNoteは左側

同じ2冊のアナログメモとデジタルメモを活用するなら、サイズ違いの組み合わせもグッドだ

T教授

今回の衝動買い

アイテム:オーリッド株式会社「KYBER SmartNote
価格:4491円(Amazonにて10冊セットで購入)

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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