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T教授の「戦略的衝動買い」 第160回

CamiAppでアナログ・オンリーの筆記生活からの脱却を企てる!

2011年09月07日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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スマホと連携する手書きメモのデジタイズアプリはトレンドになりそうだ

 筆者が過去に出会った最高の本は、ジェームズ・W・ヤングが約70年前に執筆した実質60ページ以下の「アイデアのつくり方」という奴だ。この本の発想や展開を用いた多くの真似本は、国内にも一杯存在する。

 筆者を含めアイデアや企画の捻出には苦労している人が多いはずだ。人間は、ちまたに溢れる情報やデータを食って消化、整理して、それを知識として再発信できる生き物だ。データ・情報・知識・知恵という階層化した構造の中で、社会の注目は最上段に位置し、ITがまだリーチできていない「知恵」に集中する。

 この知恵は、突然、現世で起こるとんでもない問題に対処する「問題解決能力」だと言えるだろう。その1つの構成要素がアイデアだ。アイデアは、ある面では「閃き」とも言えるが、ひょっとすると閃きは人間のみが起こせる「奇跡の思いつき」なのかもしれない。

  昨今の情報技術は、その閃きという奇跡を、量と経験と技術で実現しようとする動きが顕著だ。量はとにかく集めまくること。そして、全ての経験を小手先の技術で乗り越えられるとは思えないが、大量に集めた情報をデジタルとアナログの融合や、処理の効率化、可視化の推進を行なうことで、アイデアを思いつくための手法を整理し、確率を上げ、加速することは可能だ。

筆者は普段、友人達とプロデュースした100%アナログの大学ノートメモを使っている

 クラウド技術の進化定着により、昨今、デジタルとアナログの融合をテーマにした文具が注目を集めるのもそういう理由からかもしれない。キングジムの「SHOT NOTE」(スマホにメモを取り込むことに最適化されたキングジム製のメモ帳)が切り開いた「スマホ連携の情報整理術」の市場に、老舗のコクヨが「CamiApp」(キャミアップ)というノートを携えて市場参入した。

スマホ連携のデジタイズメモの東西両横綱「SHOTNOTE」(左)と、「CamiApp」(右)

CamiAppもメモ紙面のコーナーに撮影エリア認知のためのマーカーがある。リング形式のノートは、四隅のマーカーではなく、ひと回り大きな表紙や裏表紙を額縁イメージとしてエリア確認に使っている

 普段、筆者は自ら友人達と企画した100%アナログの大学ノートメモを活用している。SHOT NOTEと同じくCamiAppもノート紙面のコーナーに特殊なマーカーが印刷されてあり、デジタイズ対象の範囲をスマホのカメラ機能が特定できるように支援する。一方、リング形式のノートは、メモ紙面より一回り大きな黒い厚紙表紙と裏表紙が額縁イメージになってデジタル化エリアを特定する仕組みだ。

手書きメモに任意の塗りつぶしマーカーを付けて読み取ったメモを7種類のホルダーに自動分類できる

塗りつぶしパターンとその意味するタグをヒモ付けるアクションマーカー設定画面

ヒモ付けはユーザーが忘れてしまう可能性もあるので、ノートの1ページ目に記載できる

3つ全部を塗りつぶしたり、1つだけを塗りつぶして、この手書きメモをどう分類して欲しいか指定している「アクションマーカー」(左上コーナー)

3つの内、中央だけを塗りつぶしたアクションマーカーは、黄色い控え用紙を見れば、2番目の「Thinking Power Project」という分類だと理解できる


「戦略的衝動買い」とは?

 そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。

 それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。

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