Magical Branding-セルフブランド活用法
名刺で“自分ブランド”を構築するために、知っておきたいこと
2011年09月12日 00時00分更新
名刺にとって重要な要素は?
1. フォントは目的ごとに設計されている
現在多くの印刷はDTP(出版物のデザイン・レイアウトをパソコンで行い、電子的なデータを印刷所に持ち込んで出力すること)で行われています。
コンピュータの普及もあり、DTPは印刷に対するハードルをさげました。誰もが気軽にプリンターと組み合わせて名刺を自宅で印刷できるようになり、それと同時にスクリーン用のフォント(字体)と印刷用のフォントが混在して使われるという小さな混乱が生まれました。
ここでいうスクリーン/印刷用のフォントはビットマップ形式とかTrueTypeやOpenTypeといった字体の情報量や滑らかさのことではなく、スクリーンフォントは画面で文などを美しく読みやすく、印刷用フォントは紙の上にインクで文字を印刷したときに美しく読みやすいように設計されているフォントをさします。
スクリーン用のフォントをその用途を知らずに名刺などに使った場合、すこし間が抜けた感じになります。字体の縦横比率の変更やシャドウなどエフェクトもフォントのプロポーションを台無しにしてしまうので避けたほうがいいでしょう。プロのデザイナーに発注した場合はまず起こりませんが、自分で名刺のデザインをしている方は少し注意が必要です。
2. 面をあわせる
デザイン用語で「面(ツラ)を合わせる」というのは、文字の始まりや終わりを、見えないガイドラインで揃えることをいいます。ツラを合わせることでカッチリとしたデザインになりやすいので、自分でデザインするときには大切な要素になります。
熟練したデザインのプロならば、あえて面を乱すというテクニックもありますが、経験とデザインセンスのある人でなければ難しいレイアウトです。
3. 字詰め
僕は一つの名刺パターンを比較的長く使うほうなので、デザインに時間をかけて細部を整えます。その一つが字詰めです。たとえば、上が字詰め前の普通にタイプした文字、下が手動で詰めたものです。下の字詰めした文字と比べると、上の文字の間隔が少し間が抜けて見えるはずです。
ただ単に字間が狭いだけに見える方は「Tomohiro」の最初の「T」と「o」の間隔を見ていただくとわかりやすいと思います。メルマガサンプル用に作ったので詰めが甘いところもありますが、字詰めのイメージはつかめると思います。文字の組み合わせは無限にありますので数値化はできませんが、こうした感覚は日頃から商品パッケージやブランドのロゴなどの文字詰めに気に留めておくことで養われます。
手間や時間をかけて作った名刺は長く使えるのが魅力です。僕はデザインには賞味期限があると思います。ルールを守って、できる限り丁寧につくれば、デザインの賞味期限は長くなり、同時にブランドイメージをあげることも少なくなりありません。
【筆者プロフィール】前田 知洋
クロースアップ・マジシャン。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。新聞、雑誌などの取材記事は多数。LVMHグループ企業からブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。著書に『知的な距離感』(かんき出版)『人を動かす魔法のことば』(日本実業社出版)『新入社員に送る一冊』共著(日本経団連出版)ほか。
ビジスパでは、様々なジャンルのプロフェッショナルを目指す方、世界に注目されたい起業家の方に向けて、今までマジックのタネ以上に秘密にしていた、一歩踏み込んだブランド活用法を紹介するメルマガ「Magical Branding-セルフブランド活用法-」を執筆中。
ビジスパとは?
有料メルマガ配信サービス「ビジスパ」では、向上心と情報感度の高いビジネスパーソンに向け、ビジネスジャンルのコンテンツ、ビジネスパーソンの関心の高いコンテンツをメルマガで配信しています。
★9月より新たに二宮清純氏ほか3執筆者がメルマガ配信開始!
こちらをチェック
この連載の記事
-
第36回
ビジネス
ブラック企業を『抜け出す』には -
第35回
ビジネス
KPIを設定し、仕事を次につなげる -
第34回
ビジネス
「負け惜しみ」は進歩の第一歩 -
第33回
ビジネス
気になる他人の家計状況 -
第32回
ビジネス
2012年第一四半期、上場企業M&Aの動向を読む -
第31回
ビジネス
今年、クラフトビール(地ビール)は流行る? -
第30回
ビジネス
「復刻版」、成否のカギは? -
第29回
ビジネス
仕事は愛社精神とライバル意識を持って -
第28回
ビジネス
仕事コミュニケーションを磨く近道 -
第27回
ビジネス
「ブランデッド・コンテンツ」の草分けに学ぶ -
第26回
ビジネス
会社訪問でブラック企業を見抜く - この連載の一覧へ