CeleronがSandy Bridgeで復活!?
メインストリーム~ローエンド製品にあたる「Core i5」「Core i3」「Pentium」のラインナップだが、こちらは大きな変更はないようだ。少なくとも、2012年に予定されているIvy Bridgeベースの製品の立ち上がりまでの間は、特に新製品をリリースするといった動きは予定されていない。
CPU性能的には、既存の製品で十分にAMDの「Aシリーズ」(Llano)に対抗できるが、GPU性能は多少動作周波数を上げた程度ではどうにもならないからだ。ひょっとすると価格改定程度はあるかもしれないが、あってもその程度だろう。こちらのラインナップも、2012年のIvy Bridge登場にあわせて順次Ivy Bridgeベースに置き換えられてゆくものと考えられる。
意外なところで動きがあるのが「Celeron」である。Celeronは2009年に「Conroe」(65nmのCore 2 Duo)ベースの「E1000」シリーズが、ついで2010年には「Wolfdale」(45nmのCore 2 Duo)ベースの「E3000」シリーズがラインナップされていた(関連記事)。ConroeあるいはWolfdaleというコード名からわかるとおり、これはいずれもLGA775ベースの製品で、Pentiumの登場にあわせてこのままブランドごと消えていくものと思われていた。
ところがどっこい、2011年9月にはCeleronもSandy Bridgeベースに切り替わることになった。流石にCeleronのためだけに旧来のチップセットを供給するのも難しくなってきたし、45nmプロセスの量産ラインをそろそろほかの製品に切り替えたい時期でもあるから、これは理にかなった選択ではある。だが、もっぱらOEM向けとは言え、Celeronブランドを引き続き維持するというのは、ちょっと興味深い動きである。
9月に予定されているのは、「Celeron G540、G530T、G530、G440」の4製品。ローエンドのCeleron G440のみが1コアで、G5xxは2コアの構成である。ハイパースレッディングやターボ・ブーストは無効で、3次キャッシュはコアあたり1MBに制限されるほか、メモリーの速度もDDR3-1066に制限されるという話も聞こえてきている。GPU側の速度はまだ明らかになっていないが、現状でも決して高速なわけではないので、Pentiumと同程度になるかもしれない。
デスクトップ向けAtomも32nmプロセスに
性能は微増程度か
最後にネットトップ向けAtomのロードマップを説明しよう。長らく45nmプロセスのままがんばってきたAtomだが、2011年9月には32nmプロセスに移行した「Cedarview」ベースの「Atom D2700、2500」がリリースされる。
これらはプロセスの微細化により動作周波数はやや引き上げられているものの、基本的な内部構造は従来のものをそのまま引き継いでいる。32nm化で大きく性能を伸ばす……ということにはならないようだ。競合は当然ながら「Zacate」ベースの「AMD E」シリーズとなるが、CPU性能で同等、GPU性能では依然水をあけられているといったところだ。
インテル自身、このAtomベースの製品では性能が不足していることをよく理解しているがゆえに、COMPUTEX TAIPEI 2011で発表した「Ultrabook」では、CPUをCoreプロセッサーベースに切り替えている。Atomはタブレットなどに活路を見出そうとしているが、それでもネットブック/ネットトップといった需要はある程度存在しているので、ここで一定のシェアを握りたいということだろう。
インテルは2015年あたりまでに、Atomの性能をCPU/GPUともに10倍近くまで引き上げる、というロードマップを示している。だが、これをどうやって実現するかという詳細な話は、今のところ一切聞こえてこない。筆者はどこかでアーキテクチャーの大変革が必要と考えるが、それが見えてくるのはもう少し先のことになるだろう。少なくとも2012年前半は、既存のD2700/2500で頑張るしかないようだ。
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